検索窓
今日:10 hit、昨日:16 hit、合計:69,700 hit

9. ページ10

『とりあえず帰ろっか。Aちゃん。』




「あ、はい…小笠原先輩ありがとうございました」





『海、ありがとうな』





海「…うん」





海「…太陽が連絡先渡す女なんて初めて見た」





小笠原先輩がこんなことを呟いていたなんて、私達は全く知らなかった。





帰り道、何事も無かったかのように先輩はくだらない話を続けた。





「あのっ」





『ん?どした』





「何も…聞かないんですか?小笠原先輩も何も聞かなかったし…」





『…話したいん?』





正直言うと話したくない。思い出したくない。
でも、このまま1人で背負い続けるのも辛い気がする。





『話したないやろ。落ち着いたらでええで。いつでも話聞く』





そう言うと、私に向き直して急に真顔になった。





「え…なんですか」





『…ごめん。』





「…なんのごめんですか」





『今回のこと。Aちゃん、あんなに怖がってたのに。朝、突き放すような事言ってごめん』





朝のこと、気にしてたんだ…
そこに1番びっくりした。覚えてないと思ってたから






『…助けに行けなくてごめん。男は女の子を守るもんなのにな』





初めて見る先輩の寂しそうな顔。
なんで好きでもないこんな地味女にそんな顔してくれるの





「い、いいです。小笠原先輩が来てくれたんだし、怪我もなかったので!」





『ほんまは俺が行くべきだった。Aちゃんの気持ち、甘く見てたわ。ほんまにごめん』





「もう謝らないでください。先輩のこと、全く怒ってないですから」





『おん…』





「探してくれたんでしょ?私なんかの為に行動してくれて嬉しかったです」





『私なんかって…。まぁ、無事でよかった』





その後は何も話さず、私の家の前まで送ってくれて
先輩は来た道を引き返した。





そしてその日の夜、『松尾太陽』の名前をアドレス帳に登録した。

10.→←8.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.2/10 (94 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
175人がお気に入り
設定タグ:超特急 , 松尾太陽 , 恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ましゅまろ(プロフ) - 千羽さん» コメントありがとうございます!すごく嬉しいです!頑張りますありがとうございます! (2018年12月23日 10時) (レス) id: 5ab9ecd76e (このIDを非表示/違反報告)
千羽(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます!いつも、次の展開が気になります!それに見入ってしまいます(笑)私はタカシくんが大好きなのでタカシくんとくっついて欲しいと切実に願ってます!更新大変かと思いますが頑張って下さい!楽しみに更新されるの待ってます(^o^) (2018年12月23日 3時) (レス) id: 049a9afd19 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ましゅまろ | 作成日時:2018年11月29日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。