任務1「バウンサー試験運用役」 ページ1
一人の少年が固唾を飲み込んだ。
奥歯をしっかりと噛み締め、脂汗を一筋垂らす。
ツンと長い耳、比較的整っていると言える顔立ちがぴくりと動く。
永遠に続くかと思われた静寂は、突如として破られた。
ドゥドゥ「素晴らしく運がないな君は」
A「てめぇふざけんなよ! 90%でどうやったら失敗するんだ!?」
ドゥドゥ「はっはっは。また来たまえ」
A「覚えてやがれ……!」
ニューマンの少年……Aの願い虚しく、強化値の落ちた両剣は手に戻ってきた。
カトリ「うふふ。また失敗してしまいましたの?」
A「……お陰様でな。くそ、グラインダーに余りはないってのに」
カトリ「ですが、資金に余りはあるんでしょう? 羨ましい限りですわ」
Aの言葉に口を尖らせる女性……カトリはAの昔からの知り合いであり、いい友であった。
桜色の着物のような服を見にまとい、作られた人形のように整った紺の髪の毛。しかし、その質感は人らしい潤いを持ち、光が当たると美しく光った。
美麗といえる顔立ちに、色香を持ったプロポーション。独特の言葉遣い。まさに、なでしこと呼ぶべき存在だろう。
A「……そういや、カトリ。さっき、キャストの男の人がお前探してたぞ?」
カトリ「うっ!?」
Aがそう告げると、カトリは目に見えてうろたえた。
何かあるのだろうかと、疑問に思ったAはカトリに尋ねた。
A「なぁ、カトリ。あの人、カトリの知り合いなのか?」
カトリ「は、はい」
A「そうか。一体なんのよう……」
サガ「訓練を抜け出したカトリを探していた」
不意に、くぐもった電子の声が耳に響く。
カトリの後ろには、機械の体を持つ種族……キャストのサガが立っていた。
サガ「バウンサー試験運用役のサガだ。…カトリ、こんな所で何をしている。まだ訓練は終わっていないぞ」
カトリ「うぅ……あんな訓練、続けてたらいずれ死んでしまいますわ!」
サガ「死なないように訓練をするのだ。では、失礼する」
カトリ「またこのパターンですの!? A様、ごきげんよーう!」
そうやり取りをした後、サガはカトリを引きずり、何処へと姿を消してしまった。
昼過ぎのショップエリア。まだ人が多く往来し、賑わう時間帯。
その声にかき消えてしまうほどに小さく、Aは呟いた。
(なま「……バウンサー試験運用、ね」
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デルテチーノ - 菊さん» 楽しみにしてます! (2015年6月23日 7時) (レス) id: cb63dc8bfd (このIDを非表示/違反報告)
菊(プロフ) - デルテチーノさん» カトリ大好きなんですよね(同意)頑張って面白い物を作り出して行きます!w (2015年6月23日 0時) (レス) id: 757134f30c (このIDを非表示/違反報告)
デルテチーノ - ぷそやってて俺カトリ好きなんですよねw←(どうでもいいだろw) (2015年6月23日 0時) (レス) id: cb63dc8bfd (このIDを非表示/違反報告)
デルテチーノ - 続き楽しみにしてます!!! (2015年6月22日 23時) (レス) id: cb63dc8bfd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:菊 | 作成日時:2015年6月22日 21時