二十八章ー決められた未来ー ページ35
時計の秒針がやけに耳に響く。
俺は、決して明かそうとしなかった秘密を、今、言おうとしていた。
A「今から、少し経った後。絵里達の卒業前日だ…」
海未「…はい」
俺は、俺が見た未来を語る。
A「…俺は、その日に、死ぬ」
海未「……え?」
A「半ば確定された未来だ。変えようがない事実だ。俺が死ぬことは、現実となる…」
海未「ま、待ってください!そ、そんなこと…そんなはずが…っ!」
取り乱した海未が何かにすがるような声を出す。
どんなに抵抗しようとも。変わらない、未来。
A「俺が、その未来に耐えられたのは、お前達のおかげだ」
海未「A…。でも、貴方は…」
A「気がおかしくなりそうだった。こんな能力は捨ててしまいたいと思ったさ。でも、その苦しみは、お前達のおかげで、晴れた」
何よりも、輝いていたから。
俺は、最後の瞬間まで、その目に焼き付けようと思ったんだ。
A「すまない、海未。俺は…もう、これ以上お前達と居れる勇気がないんだ…!」
別れを考えると、気がおかしくなる。
胸が張り裂けそうになって、苦しくて、それこそ死にたくなる。
海未「…未来を、変えられないのですか…?」
A「…さぁな。だが、今となっては、ほぼ不可能だろう」
未来はそう簡単には変わらないのだから。
俺は、一通り話して、少しスッキリしていた。
A「海未。この話は他言するな。いいな。そして…最後の時まで、俺はやはりμ'sの仲間で居続けることを、再度誓う」
海未「…A?」
A「やれることは少ないだろうが。精一杯力を使うさ。何故なら、俺は人類最強の能力者だからだ」
海未「…A…」
俺は、そう言ってから、海未を家まで送り届けたのだった。
◆
小太郎「あーあ。結局言っちゃったか」
ヘラッと笑いながら、『僕』は呟いた。
小太郎「精々物語を引っ掻き回してくれよ?鳥丸君よ…」
くるりとカメラの紐を弄びながら、嘲笑する。
小太郎「楽しくなるのはこれから、さ。そうだろう? み ん な ?」
カメラのレンズに映る自分の顔を見ながら僕は独り言をつぶやき続ける。
いや、もしかしたら、僕のこの言葉は、独り言じゃないのかもしれない。
何処かで、僕の言葉が見られてる、あるいは、聞かれてるかもしれない。
小太郎「なあ、そう思うと、ワクワクするだろ?鳥…」
物語の歯車は少しずつ動き始める。
僕は、それを確信して、次の行動に出ることにした。
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菊(プロフ) - こちらでも生存報告しておきます。私生活多忙のため、続編を書けていないこと、誠に申し訳ございません。完結まではもっていくつもりですので、どうか長い目で見守ってください (2015年5月13日 18時) (レス) id: 757134f30c (このIDを非表示/違反報告)
うえぽん - 何とか生存しててよかったです。無理しないで頑張ってください (2015年3月6日 21時) (レス) id: 8b695f2b6e (このIDを非表示/違反報告)
菊(プロフ) - うえぽんさん» 一応生存報告をw学校でテスト中でして製作止まってますw復帰は2日後か3日後となります… (2015年3月6日 7時) (レス) id: 757134f30c (このIDを非表示/違反報告)
うえぽん - 続編ファイトだよ! (2015年3月5日 20時) (レス) id: 8b695f2b6e (このIDを非表示/違反報告)
うえぽん - 自分もミューズのメンバーはすきだけど、ことりと花陽が好きですね。更新お疲れ様です♪ (2015年3月2日 20時) (レス) id: 52f8adeea0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:菊 | 作成日時:2015年1月12日 13時