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「あーあ 汚な」

血が滴り落ちている服をちょいと掴んで体から離そうとする。


「最悪。また あの布被んないとじゃん」
うげー、とでも云う様に大袈裟に目を瞑り舌を出した。



「____ひっ」

__声。
反射的に声がした方向へ顔だけを向ける。
洋子の目が鋭く光った。


「あちゃー…見られちった」


そこにいたのは20代前半くらいの女性。
遺体に驚いたのか血まみれの少女に驚いたのか、はたまたその両方に驚いたのか、ぺたん と尻餅をついた。

怯える彼女に近付こうとゆったりとした速度で歩くと更に怯え出す。
その様子に少女は少しの優越感を抱いた。



「大丈夫だって、怯えなくても善いんだよ。私は標的(ターゲット)以外の人間を痛め付けながらじっくりゆっくり殺 す趣味なんかないからさ!」
困り笑顔でそう云うが、やはり逆効果。
遂に女性は泣き始めた。
出掛ける予定でもあったのか、綺麗に化粧した顔を涙でぐしゃぐしゃに歪ませていく。

「およよ?どうしたの おねーさん?」
眉を八の字に吊り下げる。

彼女はしどろもどろ になりながらも口を開いた。

「今日は婚約者のご両親に挨拶をしに行く予定」
「ここを通り掛かったのは待ち合わせ場所への近道だったから」だと嗚咽を漏らしながら泣いていた。

「それだけだから…だから…!」
「だから、何?」


洋子の表情は明るかった。
いつもの笑顔。
だから、こんな状況なのに笑みを浮かべるAに相手はさらに狂気的な何かを感じた。


「...ぁ、あぁ」
「ん?」

ガタガタと身体を震わせ、涙が止まらない彼女だけを見れば異常者と思われても仕方がないことかもしれないが、今は無理もない。


「お、お願い…許して……ころ、さない…で……!!」



「___...え?無理。」




女性は至って真剣だ。
真剣に助けてくれ、と懇願した。
だが、それとは対照的に少女は、
とぼけたように、眉を下げてそう云った。

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紅月(プロフ) - すごい面白いです!(*^^*) 夢主ちゃんが可愛い…← 更新頑張ってください!! (2018年10月9日 18時) (レス) id: c8e9e68a05 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まして x他1人 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年9月6日 22時

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