01 ページ11
.
更衣室へと繋がる通路で
仕事を終えて、疲労感を抱きながらも
すっきりとした顔が隠し切れていない
日勤の同僚と挨拶を交わしながら
入れ替わるように更衣室に入り
ロッカーに掛けていたナース服を手に取った。
準夜勤にも関わらず、少し早く職場に来たのには訳がある。
「くれぐれも慎には秘密でお願いします……樹さん」
樹「分かったよ。体調悪いのを彼氏に黙って注射打ちに俺んとこに来たとは言わないから」
「なんか言い方に毒ありますね」
ついこの前、慎が
「樹さんにお前と付き合ってるのバレてる」
と、焦って言い寄ってきたのを思い出した。
樹「もしも今より体調が悪くなってあの鈍感な慎に気付かれたくなかったらいつでも俺のところにおいで」
「やっぱり毒ありますよ」
樹「んふふ。慎に言っといて。Aちゃん見つけるとすっげぇ顔崩れてるから気を付けろって」
それは樹さんもですよ
と言い返したいが、ここは抑えて
「樹さん、ありがとうございました」
と、処方箋を貰って診察室を出た。
注射を打ったという安心感からか
ほんの僅かだけ、体のだるさが消えた気がする。
院内で処方してもらった薬を受け取って
ナースステーションに顔を出した。
当直医のボードを覗くと
深夜勤：長谷川 となっている。
申し送りを聞きながら
慎とは入れ違いの勤務になりそうだと想像して
体調不良が悟られることはないだろうと安堵した。
そして、一息つく間もないままラウンドを行い
食前の配薬、食事の配膳、食後の配薬…。
人手が減る中、それに比例しない業務の量に追われた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 794人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「THERAMPAGE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Mei - 読んですぐ『好きなやつ！』ってなりました。ガッツリ医療系ではないのですが、私自身少し医療分野に関わる実習に行っていたこともあり、共感する部分も多くありました。これからも楽しみにしてます！ (2019年11月8日 1時) (
レス) id: 6c146f9d58 (このIDを非表示/違反報告)
To(プロフ) - すごく胸キュンでした…占ツクの中で一番好きな小説になりました！！いつきくん最高でした…。またこ の続編やファンタ（なっちゃん）のドクターシリーズも読みたいです。 (2019年11月8日 0時) (レス) id: 55722799bd (このIDを非表示/違反報告)
yuki - このお話めっちゃ好きです！！この3人のお話がもっとみたいです！続編希望です！ (2019年10月26日 18時) (レス) id: 02ed079c97 (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - ドクターシリーズすごく好きです！続編見たいです！ (2019年10月25日 18時) (レス) id: 3a12b44223 (このIDを非表示/違反報告)
桃の木m r i(プロフ) - 面白かったです！ずっと読みたいです！続編を望みます！主人公の体調不良多めで笑倒れたりとか？緊急事態になったりとか？ (2019年10月25日 16時) (レス) id: ce5b46e04d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みやあ
| 作成日時：2019年10月12日 14時
