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消灯時間も過ぎて、院内の雰囲気がガラッと変わった頃
「樹さん……助けてください…」
樹「Aちゃん!?」
「ちょっとだけ寝かせて…」
処置室で一人、術式を確認していた俺のところに
飛び込んできたAちゃんは
夕方会った時よりもはるかに顔色が悪い。
処置室の硬いベッドに体を預けたAちゃんによると
看護部の仮眠室では実習生に引き止められて
寝付けないらしい。
樹「ここだと慎が来るけど良いの?」
「まこと…?慎は深夜勤だからだいじょうぶ……」
いやいや、慎が来るんだよ…俺に用事があるから。
そう言い返したいところだったが
Aちゃんは既に眠りについていた。
ところで休憩は何時までだ?
枕の横に無防備に置かれていたスマホの画面には
アラームが設定されていることを示すアイコンが表示されている。
時刻は分からないけど
慎が訪ねてくる時間帯と重なるかもしれない。
もうどうにでもなれ、と
Aちゃんに布団を掛けて慎を待つ事にした。
そしてさらに夜が深まった頃。
聞きたいことがあります。
と約束を取り付けていた慎は
取り決めた時間の5分前に現れた。
慎「なんでAが寝てるんですか」
怪しむような、怒りにも似たような表情で
開口一番、核心をついてきた。
樹「看護部だと休めないってここに寝に来た。業務前にも俺のとこに来て、貧血と過労。血液検査の結果出てるよ」
そう言ってデスクの上のパソコンに視線を向けると
慎は検索ボックスにIDを打ち込んで
Aちゃんのカルテを開いた。
やっぱ彼女のカルテ番号って記憶するよな。
と、変なところで同感しつつ
慎がクリックした検査結果を一緒に覗き込んだ。
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Mei - 読んですぐ『好きなやつ!』ってなりました。ガッツリ医療系ではないのですが、私自身少し医療分野に関わる実習に行っていたこともあり、共感する部分も多くありました。これからも楽しみにしてます! (2019年11月8日 1時) (レス) id: 6c146f9d58 (このIDを非表示/違反報告)
To(プロフ) - すごく胸キュンでした…占ツクの中で一番好きな小説になりました!!いつきくん最高でした…。またこ の続編やファンタ(なっちゃん)のドクターシリーズも読みたいです。 (2019年11月8日 0時) (レス) id: 55722799bd (このIDを非表示/違反報告)
yuki - このお話めっちゃ好きです!!この3人のお話がもっとみたいです!続編希望です! (2019年10月26日 18時) (レス) id: 02ed079c97 (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - ドクターシリーズすごく好きです!続編見たいです! (2019年10月25日 18時) (レス) id: 3a12b44223 (このIDを非表示/違反報告)
桃の木m r i(プロフ) - 面白かったです!ずっと読みたいです!続編を望みます!主人公の体調不良多めで笑倒れたりとか?緊急事態になったりとか? (2019年10月25日 16時) (レス) id: ce5b46e04d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みやあ | 作成日時:2019年10月12日 14時