検索窓
今日:25 hit、昨日:3 hit、合計:59,981 hit

9 S ページ9

Aと一緒に住み始めてもうすぐ1ヶ月。
もうずっと一緒に住んどるような気分なだけに、まだ1ヵ月も経ってないっていう事実に驚く。
最初は正直、長くは続かんやろうなって思ってた。やけど、実際には一緒に住んどってもこれまでと大きくは変わらない何不自由ない暮らし。
寧ろたまにちょっと得した気分にもなる日々に、誰かと一緒に暮らすのも悪くないなと思い始めていた今日この頃。


「A、俺今から暫く反応できんから、なんかあったらチャットしてくれん?」

「うんわかったー、大人しくテレビ見てるから」

「またゾンビやん」


画面いっぱいに映るゾンビを見て、思っていたことが口から漏れた。
シリーズ長いんだもん。と振り返ったAが、ちょっと照れた顔で笑う。
……キモイ自覚はあるんやけど、不覚にも思ってしまった。

俺の姉ちゃん可愛ない?



「まあ、なかなか見終わらんよな。そのシリーズ長いし」

「見始めなきゃ良かったかもって正直後悔しなくもないけど、見だしたら続きが気になってしょうがないんだよね」

「面白いドラマあるあるやん」

「でもこの話終わったら次はマイティ・〇ー見ようと思ってる!」

「アイ〇ンマン見ようややったら!」

「アイ〇ンマンはBD持ってるから。わざわざ配信で見なくてもいいかなって」

「天才やん」

「男性人気高いよねやっぱり。私はイケメン好きだから、アメリカの盾の人とかアスガルドの兄弟とかも好きだけど」


めっちゃ色々見とるやん。あーこのままAと映画見たい。MTGがなかったら一緒に見とるのに。
最近になって、意外な程ドンピシャで趣味が合うことが多いなって気づいた。
一緒に生活してるとタイミングとか趣味とかも似てくるんかなあ。


「どうしたの?何で無言で棒立ち?」


じっとして動かん俺に、Aが不思議そうに首を傾げる。何でもないよ、もう戻る。と誤魔化すように呟いて部屋に戻った。



いや、絶対俺キモイやん。

10 S→←8



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (162 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
578人がお気に入り
設定タグ:歌い手 , 浦島坂田船
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:こま | 作成日時:2021年10月31日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。