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「えっなんで!?私全然一人暮らしする予定だったけど!?」


あまりの衝撃に掴んでいたおかずが、箸を滑ってお皿に戻って行った。
確かに急に一人暮らしとなったら少し出費が痛いなと思わなくはないが、昨日今日家族になった人と暮らすくらいなら多少の出費くらい大した問題じゃない。
更に言うなら私はコミュ障で、一人の時間がないと生きていけないタイプだ。
それなのにまさかそれを充分に知っているであろう母親から血の繋がりのない言わば他人との同居を勧めてくると思わず目を剥く。


「だってあんた、生活能力ほとんどないじゃない」

「あるよ!掃除…は気が向いたときしかやらないけど。炊事…もあんまりしないけど。洗濯はちゃんとするし!第一そういうのが許される環境じゃないと誰かと一緒に暮らすなんてストレス溜まって生活できないし!」

「あ〜だったら弟さんと暮らすのがいいかもね。あんたゲームとかアニメとか好きだし、話合うんじゃない?」

「勝手に話進めないで!向こうも絶対こんな女お断りだろうし、ちゃんと生活能力養うから!」


ゲームやアニメに理解があるとなれば趣味についてあれこれ言われることはないだろうが、こんな生活能力皆無なズボラ女、頼んだって同居したくないだろう。
いくら家族になるとは言え、他人で、更には異性である。
いい顔をしていたい訳では無いが、普通に生活していれば知られないようなことをわざわざ知らしめる必要もない。


「でももう、娘ひとり連れてくって伝えちゃったのよ」

「ねえ〜〜〜どうして」


母はマイペースである。

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作者名:こま | 作成日時:2021年10月31日 14時

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