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シンデレラは、こんな気持ちだったのかな。と。
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瑠姫｢……俺、本当にシンデレラの王子様みたいだね」
｢……な、なんで…」
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一瞬、本物のシンデレラになった気分だった。
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｢……そ、それ…」
瑠姫｢ん？」
｢…ヒール…、返してくれなきゃ困ります…」
瑠姫｢あー…」
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なんで、なんで白岩さんがここにいるの。と頭の中が混乱する。
数日ぶりに会う白岩さんは、悔しいけどかっこよくて私の好きな白岩さんだ。
あんなことを言われたのに、どこかドキドキしている自分に本気で呆れる。
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その途端、白岩さんがしゃがみこんで膝をついた。
おまけに手を差し出してる。
ナニシテルの、と目が点になる。
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｢……あの、」
瑠姫｢手、ここに置いて。足は、ここ。」
｢…え？え？」
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あーもう。と、白岩さんが眉間にシワを寄せた。
私の知ってる白岩さんの顔じゃない。どこか、化けの皮が剥がれたような、そんな顔。
でも、これが本当の白岩さんの姿だと。
この前聞いた言葉や、今見ている表情から想像がつく。
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そう思った瞬間。
白岩さんの手に私の手が握られ、私の足は白岩さんの太ももの上に乗せられた。
え、ちょ、とバランスを崩しそうになれば
白岩さんの腕が私の体を支える。
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｢…ちょ、」
瑠姫｢王子様なんでしょ？」
｢…へ」
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私の足が、スッと。
白岩さんの手によってヒールの中に入れられる。
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瑠姫｢そういうのもアリかなって思ったんだよ」
｢…」
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瑠姫｢こういう恋の始まり方もアリかなって」
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作者名：カスミ | 作成日時：2022年6月8日 23時
