12ページ ページ12
たぶん、これは最後まで気づかれない。……気づかせない。
――――――――――――――――――――――――
研磨side
「……まず、何であんなに噂は広まったの？」
「誰か見てたんじゃない？」
「……かもね。でもそれにしては不自然だよ、広まりかたが。」
3年生にだけ広まるならまだわかる。クロとAがつき合ってるって言うのは有名だから。
「……どうしてクロが俺に言うのより、クラスメートが教室で言ってるのを聞く方が早くなるの？」
「……知らなーい。」
興味なさそうに聞き流す。
「……誰かがわざと広めたんだよ。」
じゃなきゃどっちが振ったなんて細かいことまで正確に伝わるはずがない。しかも噂は1年生まで届いていた。
「それだけ？ 不思議なことは。」
相変わらず興味なさそうな顔は変わらない。
「……まだある。クロが、Aが高橋さんの嫌がらせの原因だって言ってたけど……」
「うん。だから近くにいた。でしょ？」
「それだっておかしいじゃん。疑われないように離れてればいいのに、何で現場に居ようとするの？」
顔を反らしているため、Aの表情はわからない。
「……他は？」
「退学の話聞いた？」
その時だけ彼女の表情が少し動く。
「聞いてない。」
「……高橋さんの嫌がらせの首謀者たち。昨日問題起こして、今日って早すぎない？」
「……前から問題起こしてたよ。」
「でも証拠がなかった。首謀者たちがバット？ とかしまってる写真が届いてたんだって。だから退学言えたって聞いた。」
正確には職員室で立ち聞きしちゃったんだけど。
「誰だか知らないけど、その人のお陰だってことだよ。何が不思議なの？」
「……噂流したのはクロかAにしかできない。Aが流したんじゃないの？ わざと自分に当たりがキツくなるように。」
「……。」
「嫌がらせの現場に居たのは……クロと一緒に居たのは嫌がらせを止めてほしかったからじゃ？」
「……。」
「写真撮ったのもAじゃないの？ 」
「……違うよ？」
「首謀者たちが今まで体に傷をつけなかったのは証拠が残らないようにするためだって聞いた。」
Aがそう言ったって。
「でもAはただ高橋さんにケガさせたくなかったんでしょ？」
クロはAが変わったって言った。
違う、変わってない。
他の人のために自分を犠牲にできるところとか。
「それだけ聞けば私は何かとても良いことをしたような人だね。でも……」
「……何？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 327人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品が参加のイベント 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
えま - 舞璃花さん» レス遅れてごめんなさい！ 感動して頂けて嬉しいです……ありがとうございます！！！ (2017年1月20日 22時) (
レス) id: 9535ab89b8 (このIDを非表示/違反報告)
舞璃花(プロフ) - お話とても良かったです！感動して泣いてしまいましたw続編を読むのがとても楽しみです！続編読んできます！ (2016年5月28日 12時) (レス) id: 0311422590 (このIDを非表示/違反報告)
えま - DA☆SA☆KU☆SYA(∩´∀｀)∩さん» ありがとうございます！！！ 続編の方もよろしくです！ (2016年4月12日 22時) (レス) id: c2b65fcd72 (このIDを非表示/違反報告)
DA☆SA☆KU☆SYA(∩´∀｀)∩(プロフ) - 見に来ました！ 面白かったのでついでにお気に入り登録もさせていただきます(≧▽≦)（（もう続編出てるんですけどね(笑) 続編のほうも評価しにいきますので('ω')ノ (2016年4月12日 19時) (レス) id: 409c42c952 (このIDを非表示/違反報告)
えま - おねむさん» ありがとうございます！！ 続編もよろしくお願いしますm(._.)m (2016年4月8日 23時) (レス) id: c2b65fcd72 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
