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「周りにね難しく考えすぎって言われたんだよ。俺は父さん達の事や、世間体を気にしたけど、本当の気持ちはどうしたいんだって、このままで俺は後悔しないのかって」
そう考えたら何もかもどうでも良くなった。と、ふっきれた表情を浮かべていた。
「もちろん投槍なわけじゃなくて、Aとのことはちゃん考えたよ。もし君が俺の気持ちを受け入れてくれるなら、ちゃんと父さん達に言うつもりだし、Aが辛い思いしないように全力で守る」
「亮平君、」
「まさか家族になるなんて思わなかったから、正直Aに会った時凄く戸惑ったんだ。けど、今日までの時間が俺に覚悟を持たせてくれたんだと思う」
きっと世間的にまだ子供な私は、単純に亮平君が好きで済む。
だけど亮平君はお母さん達とか、もしかしたら職場とか、ご近所さんとか色々な事を考えて私以上に悩んでくれたのかもしれない。
「だから返事聞いていい?」
今更だよ? 笑。
答えなんてもう決まってる。
「亮平君、ここで問題です」
「え、なに? 急だね?」
「私が好きな人は誰でしょう」
やっぱり私は間違えてなかった。
好きになった人が亮平君でよかった。
亮平君はピクピクと頬を動かして、徐々に赤くなっていく。
そして一度俯いて、私を上目遣いで見て言った。
「お、俺?」
あー、あざとい。
このあざといところも好き。
「正解。亮平君、あなたが好きです」
ただ見ているだけでよかったけど、亮平君が凄く身近な人になった途端にそれ以上の気持ちが溢れた。
出来るなら亮平君の彼女になりたい。
傍で見ているだけなんてやだって。
「A、絶対に守るよ、大切にする」
「うん。へへ、なんかプロポーズみたいだね」
照れ隠しでそう言ったのに、
「プロポーズのつもりだけど? 俺、中途半端なことはしたくないから」
あ、どうしよう。
泣きそうだ。
「ふふ、泣かないで? 泣くのは結婚式まで取っておいてよ。て、気が早いか」
「うんっ」
ほんと気が早い。
けど真剣に考えてくれてるんだってわかって、私は幸せだ。
「亮平君、大好きっ」
「俺も、Aが好き」
図書館から始まった密かな恋は、こうしてやっと実らせる事ができました。
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☆ゆきんこ☆(プロフ) - リナさん» リナさま、最後まで読んでくださりありがとうございました!次の主役はほぼ本編に答え出てますね(笑)モヤッと部分を回収してもらえるように頑張ります! (2020年11月6日 9時) (レス) id: d7a99168d6 (このIDを非表示/違反報告)
☆ゆきんこ☆(プロフ) - みぃ。さん» みぃ。さま、最後まで読んでくださりありがとうございました!面白かったと言ってもらえて一安心です。シリーズ物ならではの楽しみ方をしてもらえたらと思い前作までの方々を絡ませてますね(笑)次のお話も楽しんでもらえるように頑張ります! (2020年11月6日 9時) (レス) id: d7a99168d6 (このIDを非表示/違反報告)
リナ(プロフ) - 完結おめでとうございます!次の主役はあの人ですか!モヤっとした部分スッキリしますね!楽しみに待ってます!! (2020年11月5日 2時) (レス) id: 7aedc618bf (このIDを非表示/違反報告)
みぃ。(プロフ) - ゆきんこさん、完結おめでとうございます!ホントに面白かったです!しかも、お名前シリーズのあの方たちがこんな繋がりで登場するとは!後半は驚きとニヤニヤ満載でした。ゆきんこさん凄いです!次はあの方のお話ですね。楽しみにしてます! (2020年11月4日 21時) (レス) id: 59fd607722 (このIDを非表示/違反報告)
☆ゆきんこ☆(プロフ) - ふさん» 名前シリーズいよいよ阿部氏です!最初から禁断ストーリーとなってるのでラストは……!できる限り毎日更新目指してますので、できない時はお許しください(汗) (2020年10月26日 21時) (レス) id: d7a99168d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆきんこ | 作成日時:2020年10月20日 10時