一定の距離感 ページ33
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俺とAは義兄妹だ。
家族が増えて嬉しそうに幸せそうに笑っている父さん達は、一生懸命に溶け込もうとしてくれてるAちゃんを見ていると、俺のこの抱く感情が汚いもののように思えてくる。
父さんに頼まれて、Aちゃんの受験勉強を見る事になった。
それはいいよ。
勉強な昔から比較的得意だったから、それでAちゃんの役に立てるなら。
でも問題は長時間、好意を抱く女の子と密室で二人きりだということだ。
初めてAちゃんの勉強を見たのは、君が以前俺が使っていた部屋に引っ越した後だったね。
俺が学生時代に使っていた勉強机やベットを今度は君が使うなんて、誰がそんなこと想像した？
父さん達は気をつかって俺たちを二人きりにしたようだけど、辞めてよねって正直思ったよ。
ケーキを買っていって渡せば、嬉しそうに笑う可愛い顔。
勉強を教えれば真面目に教科書を見つめる伏し目がちな表情。
スラスラとノートにペンを走らせる綺麗な手。
そして長い髪を耳にかけるんだ。
はあ、寝てないとやっていられない。
時計の音しかないこの空間で、ただAちゃんを見ているだけだといつかこの想いが溢れて手を出してしまうそうだった。
そしたらさ寝たフリをする俺に、Aちゃんはブランケットをかけてくれた。
優しい香りがした。
俺の隣に座る気配を感じて、ちょっとだけ体に力が入った。
「……はあ、かっこいいなあ」
は？
今の俺に言ったの？
かっこいいって俺の事？
やばい。顔が赤くなりそうなのを必死で堪える。
お願いだから早くそこを退いてくれ。
.
タイミングを見て寝たフリを辞め、何事もなかったように会話をする俺たち。
だけどなんだろう、どこか甘ったるい空気が流れてるように感じた。
ケーキのせい？
いや違うな。
「いやね、Aちゃん静かな子だなって思って。まだ父さんや俺に遠慮してるんだろうけどさ、一応もう家族なんだからそんなに気をつかわないでよ」
俺は自ら線を引いた。
"家族"なんだよ、俺たちは。
父さんとユキコさんが新しい家族を作ろうとしている。
だからそれを壊したらいけないんだよ。
Aちゃん、お願いだからそんなふうに寂しそうに笑わないで。
「私、亮平君が義兄さんなってくれて、とても嬉しい」
「うん、俺も。妹が出来て嬉しいよ」
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☆ゆきんこ☆(プロフ) - リナさん» リナさま、最後まで読んでくださりありがとうございました！次の主役はほぼ本編に答え出てますね（笑）モヤッと部分を回収してもらえるように頑張ります！ (2020年11月6日 9時) (
レス) id: d7a99168d6 (このIDを非表示/違反報告)
☆ゆきんこ☆(プロフ) - みぃ。さん» みぃ。さま、最後まで読んでくださりありがとうございました！面白かったと言ってもらえて一安心です。シリーズ物ならではの楽しみ方をしてもらえたらと思い前作までの方々を絡ませてますね（笑）次のお話も楽しんでもらえるように頑張ります！ (2020年11月6日 9時) (レス) id: d7a99168d6 (このIDを非表示/違反報告)
リナ(プロフ) - 完結おめでとうございます！次の主役はあの人ですか！モヤっとした部分スッキリしますね！楽しみに待ってます！！ (2020年11月5日 2時) (レス) id: 7aedc618bf (このIDを非表示/違反報告)
みぃ。(プロフ) - ゆきんこさん、完結おめでとうございます！ホントに面白かったです！しかも、お名前シリーズのあの方たちがこんな繋がりで登場するとは！後半は驚きとニヤニヤ満載でした。ゆきんこさん凄いです！次はあの方のお話ですね。楽しみにしてます！ (2020年11月4日 21時) (レス) id: 59fd607722 (このIDを非表示/違反報告)
☆ゆきんこ☆(プロフ) - ふさん» 名前シリーズいよいよ阿部氏です！最初から禁断ストーリーとなってるのでラストは……！できる限り毎日更新目指してますので、できない時はお許しください（汗） (2020年10月26日 21時) (レス) id: d7a99168d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2020年10月20日 10時
