亮平君、この答え教えてください。【緑】

決めたこと ページ28

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「亮平君、ごめんなさい」




あれから数日、私は一つ決めた事がある。



「Aちゃん、俺こそ嘘をついたことは謝るよ。ごめん」




いっぱい悩んだ、考えて考えて出した結論は。


受験に集中すること。



亮平君のことは大好きだけど、このままじゃあきっと何もかも失うような気がした。

私の本業は勉強で、あの時亮平君が遊んでる余裕なんてないって言ったのは事実で。


だからこの気持ちは、受験が終わるまでしまっておくことにした。


だから亮平君にあんな態度をとってしまったことを、ちゃんと謝ってこれからは勉強に集中することを告げた。



「そうか。だったらこれからは、」

「私ね、もう大丈夫です。亮平君もお仕事大変だろうし、お義父さんが家庭教師つけてくれるって言うから」



亮平君は複雑そうに笑ってる。

なんでわざわざ？ってことだよね。


理由は言えない。

言えばこの気持ちに気付かれてしまうから。



受験に集中するためには浮かれてしまう自分を抑えなきゃならないから、それには亮平君ははっきり言って邪魔なんだ。


少しの我慢。

受験が終わったら＿＿＿＿＿＿









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あっという間に冬休みに入って、街は一気にクリスマスムード一色だ。


ふん！いつか見ててよ。

私だって、あんなふうに好きな人と手を繋いで……て、考えないようにしているのに油断すると直ぐに亮平君が！


えいえい！あっちいけ煩悩よ！







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年が暮れ、新しい年が明ける。



「あけましておめでとうございます。ユキコさん、今年も父さんのことよろしくね」

「こちらこそよろしくね」



さすがに正月は亮平君も実家に顔を出すよね。


もぐもぐと雑煮の餅を食べていたら、



「はい、Aちゃん」



差し出されたのはお年玉袋。



「貯金するも良し。ちょっと息抜きに使うも良しだよ。受験本番頑張れ！」



ぽんぽんと優しく頭を数回撫でられ、久しぶりに感じたキュンに顔が綻ぶ。



焦るな、焦らずにまずはやる事をやれ！






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