金髪のお友達 ページ18
・
今日は天気が良くて気持ちいいし、屋上でお弁当食べようかな。
今朝は久しぶりに自分でお弁当を作った。
理由は単純。最近料理してないから、腕が鈍ってそうで復習も兼ねてだ。
だって亮平君に美味しいって言ってもらいたいから。
キーッと錆び付いたドアを開けると、ふああっと冷たい風が髪を撫でていって、頬ってた顔には丁度良くて気持ちいい。
屋上なんて久しぶりだな。
夏は暑いし冬は寒いしで、案外誰も使わない穴場だと思うんだよね。
「ここでいっか」
持ってきていたレジャーシートを敷いて、ちょこんと座ってお弁当を広げる。
「亮平君にも作ったら食べてくれるかな？」
ふとそんなことを思って、ミートボールをポイッと食べる。
「美味しそう」
「え？」
美味しそう？
お弁当？
声のする方を探してみると「こっちだよー」と。あ、上か。
「う、眩しいっ！」
塔屋の上からヒョイと覗き見している金髪が陽の光に反射して凄く眩しい。
目を瞑って掌で隠していたら、スタッと地面に下りる音がしてうっすらと目を開ける。
「うひゃっ！？ だ、誰？」
「ラウールです！てか美味しそう」
金髪の人、ラウール君はキラキラのお目目で私のお弁当を覗き込む。
凄く整った顔だし名前からしてハーフなのかな。
最近ハーフさんに遭遇率高い。
「えっと食べる？」
「ええ！いいの？」
「…うん」
特にお腹が空いてるわけじゃないし、そんなに食べたそうにしてくれるならあげてもいいかなって。
そうしたらラウール君は持っていた紙袋をバッと渡してきた。
「じゃあ交換しよ！」
「……あ、フルーツサンド」
「うふふ、それ美味いよ。今朝母さんの彼氏から盗んできたの。笑」
「えっ！？」
彼氏さんから？ え、盗んだ？
え、え、それ私食べるの？
「ふふふ、気にしないで食べてよ！」
「はあ、」
ラウール君は卵焼きを食べると「あ、甘いやつぅ！」と嬉しそうにもぐもぐしてる。
良かった。甘い派と塩っぱい派の人がいるもんね。
たまたま知らない人に食べられる事になったお弁当だけど、どうせなら美味しかったと思ってもらいたいじゃん。
「ごちそうさまでした！」
結局フルーツサンド食べた私に、空っぽになったお弁当を「ありがとう」と返して、ラウール君はんーと伸びをした。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3261人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
☆ゆきんこ☆(プロフ) - リナさん» リナさま、最後まで読んでくださりありがとうございました！次の主役はほぼ本編に答え出てますね（笑）モヤッと部分を回収してもらえるように頑張ります！ (2020年11月6日 9時) (
レス) id: d7a99168d6 (このIDを非表示/違反報告)
☆ゆきんこ☆(プロフ) - みぃ。さん» みぃ。さま、最後まで読んでくださりありがとうございました！面白かったと言ってもらえて一安心です。シリーズ物ならではの楽しみ方をしてもらえたらと思い前作までの方々を絡ませてますね（笑）次のお話も楽しんでもらえるように頑張ります！ (2020年11月6日 9時) (レス) id: d7a99168d6 (このIDを非表示/違反報告)
リナ(プロフ) - 完結おめでとうございます！次の主役はあの人ですか！モヤっとした部分スッキリしますね！楽しみに待ってます！！ (2020年11月5日 2時) (レス) id: 7aedc618bf (このIDを非表示/違反報告)
みぃ。(プロフ) - ゆきんこさん、完結おめでとうございます！ホントに面白かったです！しかも、お名前シリーズのあの方たちがこんな繋がりで登場するとは！後半は驚きとニヤニヤ満載でした。ゆきんこさん凄いです！次はあの方のお話ですね。楽しみにしてます！ (2020年11月4日 21時) (レス) id: 59fd607722 (このIDを非表示/違反報告)
☆ゆきんこ☆(プロフ) - ふさん» 名前シリーズいよいよ阿部氏です！最初から禁断ストーリーとなってるのでラストは……！できる限り毎日更新目指してますので、できない時はお許しください（汗） (2020年10月26日 21時) (レス) id: d7a99168d6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2020年10月20日 10時
