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「亮平君って、もしかして方向音痴だったりする?」
「いや方向はわかるよ。でもなんでか道に迷うんだよ」
参ったなぁと頭をかきながら照れる姿に意外性を感じて嬉しかった。
なんでも出来そうな大人の男性なのに、亮平君にだって苦手なものがあるんだなって。
「意外だなー」
「そ?」
「なんでもできるって感じがして」
「そんなことないよー。忘れ物も多くて、よく後輩に心配されるの。でもその後輩はよくものを無くすんだけどさ 」
どんな先輩後輩コンビ?
そんな二人で仕事したらなんか重大な間違いを起こしそうだなって心配になった。
「だからそのぶん前もって準備をして、何度も何度も確認もするんだ。勉強と似てると思わない?」
「あ、確かに」
「だからね不得意なものでも、やればちゃんと出来るし、もしかしたら好きにもなるかも。努力は人は裏切らないからね」
まさかの忘れ物の話から、こんなにいい話に持っていける会話術すごいなぁ。
やっぱり尊敬できる人だって思っていたら、「あ、あったあった!」と目的のお店を見つけてはしゃぎだす。
あはは、やっぱり可愛い。
カランカランと店のベルを鳴らして店内に入ると、独特の香りがして好奇心を起こさせた。
「いらっしゃいませ〜!」
店の奥からスラリとしたハーフ顔の男性が現れて、その人に亮平君は名刺を差し出した。
「私〇〇出版社の阿部亮平と申します」
「ほえ、阿部さん? 出版社の人がどないしたんです?」
わあ、この訛り方って関西弁?
え、ハーフっぽいんだけどなこの人。
「あのこちらのお店が美味しいと評判だと聞きまして、今度海外の味特集を組もうと思って一度お話させて頂けたらとおもいまして」
「ほほう!そうなんですか!いやー最近、お客さん増えたな思ってたんやけどそういうわけか!」
どうぞどうぞと歓迎されたようで、席に案内される。
途中止まったお店の人が「ちょー聞いてや!」と、一組のお客さんに声をかけている。
「ふっかさん聞いて! とうとうウチも取材よ取材!どやさ!」
「へえ、そりゃあ良かったじゃん。これで康二のサボり癖も減るんじゃない?」
「それは辰哉さんもでしょ?隙あらば何処かに消えて煙草吸ってるんだもん」
「せやんな? 俺は楽しくお客さんとトークしてるだけやで!」
「康二さん、それで私たちの注文したお料理はいつ出てくるんです?」
「あっ!忘れとった!」
「駄目じゃん」
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☆ゆきんこ☆(プロフ) - リナさん» リナさま、最後まで読んでくださりありがとうございました!次の主役はほぼ本編に答え出てますね(笑)モヤッと部分を回収してもらえるように頑張ります! (2020年11月6日 9時) (レス) id: d7a99168d6 (このIDを非表示/違反報告)
☆ゆきんこ☆(プロフ) - みぃ。さん» みぃ。さま、最後まで読んでくださりありがとうございました!面白かったと言ってもらえて一安心です。シリーズ物ならではの楽しみ方をしてもらえたらと思い前作までの方々を絡ませてますね(笑)次のお話も楽しんでもらえるように頑張ります! (2020年11月6日 9時) (レス) id: d7a99168d6 (このIDを非表示/違反報告)
リナ(プロフ) - 完結おめでとうございます!次の主役はあの人ですか!モヤっとした部分スッキリしますね!楽しみに待ってます!! (2020年11月5日 2時) (レス) id: 7aedc618bf (このIDを非表示/違反報告)
みぃ。(プロフ) - ゆきんこさん、完結おめでとうございます!ホントに面白かったです!しかも、お名前シリーズのあの方たちがこんな繋がりで登場するとは!後半は驚きとニヤニヤ満載でした。ゆきんこさん凄いです!次はあの方のお話ですね。楽しみにしてます! (2020年11月4日 21時) (レス) id: 59fd607722 (このIDを非表示/違反報告)
☆ゆきんこ☆(プロフ) - ふさん» 名前シリーズいよいよ阿部氏です!最初から禁断ストーリーとなってるのでラストは……!できる限り毎日更新目指してますので、できない時はお許しください(汗) (2020年10月26日 21時) (レス) id: d7a99168d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆきんこ | 作成日時:2020年10月20日 10時