亮平君、この答え教えてください。【緑】

お宅訪問 ページ11

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「今日は、亮平君の家に行くんでしょ？」




一週間ぶりの勉強会の日。


今日は我が家じゃなくて、亮平君が一人で住むマンションにおいでって言われた。


この前とはまた違ったドキドキに襲われてる。




「うん」

「だったらこれ持って行ってあげて！」



大中のタッパーに詰められた料理たち。



「亮平君ってね、なんでもできそうでしょ。でも料理はほとんどしないのよ」

「そうなの？」




へえ、じゃあいつも外食とか？買ってきてるのかな？



「らしいわよ。だから体壊しちゃ困るし、日持ちするもの作ったから食べるように伝えて」

「うん、わかった」




まるで巣立ってしまった息子を心配する母親だよね。

ほんとのほんとに親子みたい。








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ピンポーン





いつもより少しだけお洒落してきてしまった。

いったい何をしに来てるんだってね。






「いらっしゃい」

「お、お邪魔します！」

「どうぞー」



亮平君のイメージに合う部屋だった。
シンプルなものに囲まれてて、無駄なものがない感じ。


大人の落ち着いた部屋だ。


そして部屋に入った瞬間に爽やかな香りに包まれて、ほんとに亮平君の部屋に居るんだって実感した。





「ふふふ、突っ立ってないで座りな？」



キッチンから戻ってきた亮平君に笑われてしまった。

だって男の人の部屋初めてだから、どうしていいか……



「あ、そうだ！ これお母さんが亮平君にって」

「えー、なに？ あ！ 嬉しい！ 肉じゃがあんじゃん！」



大量のタッパーの入った袋を渡すと、お盆をテーブルに置いて受け取った袋を開いて中を覗く。

一番上にあったのは肉じゃがで、亮平君はにぱって笑顔の花を咲かせてる。




「ユキコさんには感謝しなきゃなー」



亮平君はまたキッチンに戻って冷蔵庫にしまいながら話だす。



「よくねこうして差し入れくれてるんだよ。仕事柄不規則にどうしてもなって、食事の管理できなくてさ」

「そうなんですか？」



そう言えば料理をしないって聞いたもんね。




「特にあれが好きだったなー、ツナの入った餃子」


え、それって。




「ビールにも合うし、ご飯にも合うし。ユキコさん料理上手だよね」


確かにお母さんは料理はできる。

忙しくて今までは私が担当してたけど、料理は亡くなったおばあちゃんやお母さんに教わったものばかりだし。





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