2話(続き) 【6年前】 ページ6
貴「ありがとう！私神崎Aっていうの。201号室に入院してるの」
涼「僕、山田涼介っていうんだ。僕は301号室に入院してるんだ」
私達は、自己紹介を終えるとお互い握手をした。その後、初対面だという事を感じさせないくらいに二人は意気投合し話を続けていた。
貴「涼介君は、なんで入院してるの？」
涼「僕、生まれつき腎臓が悪いんだ。だから、具合が悪くなってくるととうせきっていうのをやるために入院してるんだ。終わったら家に帰るんだけどね」
貴「そうなんだ。じゃあ涼介君今日で帰っちゃうんだね…。」
ー私は、心細さを感じた。いつもせっかく病院内で知り合ってもみんなすぐ退院してしまうから。今回もせっかく知り合ってもまたお別れなのかなぁ…そう思った。でも、涼介君から予想外な言葉が返ってきた。
涼「僕、退院しても毎日ここに来てるんだ。お父さんこの病院のお医者さんだから」
貴「そうなの？…んまって…山田…もしかして悠人先生？」
私は、ふと先生の名字が山田だった事を思い出した。私の言葉を聞いた涼介君は頷きながら言葉を発した。
涼「そうそう！」
貴「えーそうなんだぁ。私を見てくれてる先生が涼介君のお父さんなんてびっくりだよー！」
ー私は、今までに入院の時には感じる事が出来なかった“楽しさ”が涼介君のお陰で湧いてきた。まだまだ、涼介君と話していたいそう思ったのに…。私の体に異変が起きた。
涼「そういや、Aちゃんの病気はなんなの？」
貴「…ごめん…涼介君…また今度一緒に話そう…私…戻るね」
―涼介君には、迷惑はかけたくない。私はなるべく平静を装って涼介君から離れた。
私は、おぼつかない足取りで中庭を離れ歩いてきた。だけど、発作を堪えた私の体は限界で歩けずしゃがみこんだ。
貴「…ゴホッ…ゴホッ…ハァ…ハァ…」
ー助けを呼ぼうにも、裏に歩いてきてしまった為誰もいない。私は、なぜか振り切ったはずの涼介君の声が聞こえたような感覚を感じながら意識を手放した。
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優菜(プロフ) - コメントありがとうございます！そう言って貰えるととても嬉しいですヽ(*´∀｀)ノ今実生活の方が忙しく更新出来ていませんが構想は出来てるので空いてる時間見つけて更新します(^-^)これからも読んで頂けると嬉しいです。 (2017年2月4日 21時) (
レス) id: b2182f4c06 (このIDを非表示/違反報告)
ハルル - この小説を読んでみてとても面白いです。これからも更新頑張ってください。応援してます。 (2017年2月4日 19時) (レス) id: 4e10d5168c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：優菜 | 作成日時：2017年1月11日 10時
