5話 【6年前】 ページ11
僕は、医務室を飛び出した後Aちゃんの病室に向かう為走っていた。医務室からそう遠くない場所にAちゃんの病室を見つけて僕はノックした。
『どうぞー』
中からAちゃんの声が聞こえ、僕は静かに扉を開けた。扉を開けると嬉しそうな表情をしたAちゃんが僕の方を見て言葉を発した。
貴「あっ。涼介君!来てくれるって信じてたよ」
そう言ってAちゃんは微笑んだ。僕は、あの話を聞いてから気が動転していたのか無意識でAちゃんに抱きついていた。
貴「へっ…どうしたの?」
Aちゃんは、突然の事に驚いた様子で赤面しながら尋ねた。
涼「僕…Aちゃんの事大好きなんだ。実は、僕も体調が悪くなる度にたくさん検査されたり…具合よくする為とはいえ、毎度毎度腕に針刺されて…嫌気がさしてたんだ。あの時も具合が悪かったんだけど、もう嫌になって中庭でサッカーやってたんだ。でもあの時、Aちゃんと話していく内に病気で苦しんでるのは僕だけじゃないと思った。Aちゃんのお陰で僕は、諦めずに治療をこれからも頑張ろうて思えたんだ。」
僕は、あの時から思っていた事をAちゃんにすべて話すと、今まで黙って聞いてくれていたAちゃんが静かに口を開いた。
貴「私だって同じだよ…。涼介君の事大好き。私は病気になってから入院ばかりで…入院生活ではたくさんの事を制限されて…それでも、入院生活を少しでも楽しくしようと同じ病室になった子と友達になろうとしたけどみんな退院していなくなっちゃって…私もう友達作れないんだなって諦めてた。それで、私病室から抜け出して中庭に行く事が習慣だったの。あの日、涼介君がお話しようって言ってくれた時嬉しかったし、“楽しい”って思えるようになった。涼介君は私に“楽しさ”を教えてくれた。私、涼介君の事…一目ぼれだったんだ。お互い大人になったら…私と結婚してくれないかなぁ?」
涼「…もちろん。僕、Aちゃんから頼られるような大人になるから…絶対結婚しようね」
―私は、あの時自分が死ぬなんて少しも思っていなかったんだ。でも…涼介。あなたは全て知った上であの時結婚しようなんて言っていたんだね…。だけど…ずっと私はあの時に“守れない約束”を
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優菜(プロフ) - コメントありがとうございます!そう言って貰えるととても嬉しいですヽ(*´∀`)ノ今実生活の方が忙しく更新出来ていませんが構想は出来てるので空いてる時間見つけて更新します(^-^)これからも読んで頂けると嬉しいです。 (2017年2月4日 21時) (レス) id: b2182f4c06 (このIDを非表示/違反報告)
ハルル - この小説を読んでみてとても面白いです。これからも更新頑張ってください。応援してます。 (2017年2月4日 19時) (レス) id: 4e10d5168c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:優菜 | 作成日時:2017年1月11日 10時