ユッピン♪が書くあやかし緋扇小説 Part2

第77話 ページ41

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「＿＿＿＿＿未桜。」

透き通った清々しい声。

それを聞き、私はすぐに顔が緩む。

「嶺羽様…」

にこり、微笑むと。愛しき人は私を見て、ふ、と笑う。

ああ、なんて美しいの。

あたしにとっては嶺羽様の存在が全てです＿＿＿＿。


桜が舞う。

静かに、美しく。

それがどことなく虚しい。

「…愛しております、嶺羽様」


「………未桜、」


嶺羽様が言葉を発する。

「……え？」

驚きのあまり声が出てしまう。

嶺羽様の言ったことが…理解できない。

今なんて、言いましたか？

信じたくない。ねぇ、嶺羽様…


「それでも私は嶺羽様を愛しているんです…………」

ぽろり、雫がこぼれ落ちる。

雫は地面に落ちている桜の花びらの上に乗る。

その部分だけ雫のおかげで色が変わる。

「嶺羽様＿＿＿＿＿＿」

「…信じていたぞ、未桜よ」

意地悪そうに笑う嶺羽様をただただ見つめる。

「りょ…は、さま…？」

「試していただけだ…
お前が私を愛しているのかを…。」

「っ、そんな…！！」

涙を拭い、嶺羽様の胸に飛び込む。

涙は止まらない。

嶺羽様の服に染みを作っていく。

「本当に…お前らしい答えだ」

「……嶺羽様、」

顔を上げる。

涙でいっぱいの顔なのに。

嶺羽様は私にそっとキスをした。

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