Detour (ページ19)

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拓「ほら！やるならはよやりや！」

シオナのぶりっ子攻撃に負けた拓実先輩は手伝うと言うと突然、いつもの可愛い雰囲気をガラリと変え鬼教師のような、そんな人格を表す。

汐「かいちょーちょっと待って！！！」

拓「うるさいねんそんなこと言うてるから終わらんのんやで。はよ座り」

「頼んだの汐恩だからね。私ひとりでやるから。」

汐「A～！それは裏切りやん！」

「楽しようとした自分が悪い。」

拓「汐恩ほんまにはよ座って？」

汐「、、、、、、、はい。」

自分より小さな先輩に怒られながら美術課題を進める汐恩と絵心が全くないのに汐恩に口出しする拓実先輩。この2人、意外と相性いいんだ。それにしてもふたりとも可愛い顔だな～。
クラスで重機機関車とあだ名のついてる汐恩はその名の通り体格が良くていかにも重機、なのに顔は体格に似合わず、って感じでほんとに可愛い。とにかく可愛い。それに比べて拓実先輩は野球部のエース、なのに小柄で仕草も入社1年あざとい子技を効かせる女史OL並にあざとくて、野球部らしくない綺麗な髪はサラサラストレート。本当に可愛らしい人達だな。

拓「Aちゃんずっとこっち見てるやん、」

汐「は～？ちゃんとやれやアホ」

「うるさいなやってるし終わったわ！」

汐「は？うそやん」

「ほんとですー。ほら？」

汐「きったな～下手くそかやり直した方がいいんちゃう？」

「黙れチワズリー」

拓「ちわずりー？」

「可愛いっ、、、、、チワズリーの言い方が完全にひらがなすぎる可愛い、、、、」

汐「何言うてんねん気持ち悪」

「拓実先輩、こんなの置いて一緒に帰りませんか？」

拓「喧嘩するほど仲がいいってこういうことやんな」

汐「「仲良くない！！！」」

漫画のワンシーンのように綺麗にハモらせる私たち。
お互い顔を見合わせて少し笑ってしまう。
心做しか汐恩の耳が少し赤い気がした。