今日の空は何色に見えますか？ (ページ3)

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２話ページ3

入院生活が始まってから、1週間。

お母さんは、3日に1回来るらしい。

私の着替えを持ってきてくれる。

仕事が忙しいし、私が断ったから毎日は来ない。

今日は、暇だ。

屋上にでも行こう。

屋上の扉を開けると、冬の夕方にぴったりな焼き芋の匂いが私を包み込んだ。

手すりに捕まり、下を見てみると、焼き芋の車が止まっていた。

食べたいけど、食事制限されている今は食べられない。

少し落ち込んでいると、後ろから声が聞こえた。

「いい匂いだね」

気聞かれない声に、びくっとなってしまう。

「驚かしちゃった？ごめんね」

そういった彼は、透き通った瞳で、吸い込まれそう、そう思った。

「誰？」

私が尋ねると笑顔で答えた。

「片寄涼太です。よろしくね、坂井Aさん」

なぜこの人が私の名前を知っているのか。

思いついたのは、1つ。

「ストーカー？」

「ははっ、ひどいなぁ」

こっちは、本気で怪しがってんのに呑気に笑っている。

「あ、そろそろ検査の時間だ。じゃあ、またね」

そう言って、屋上から去ったあいつ。

第一印象、ストーカー。