『決着』追記:また視点変わるかも ページ44
「『
一点に集められた膨大な魔力の奔流は──時に、時空すら歪め、万物を凌辱する。
右半身を焦がし、炭化した右腕を痛々しく支える相手の姿が、そこにあった。
「貴様...僕に、僕に傷をつけたな....！？」
虚勢とでも言うべきか。綺麗な緑髪は焼けて半分ほどなくなり、炭化した右腕は今崩れ落ちた。
両目に宿す狂気の念だけが彼を動かしているようだった。
「クソ、こんなことになるならイアも連れてくるんだった...！」
「──遺言はそれだけか？」
「ッ！！」
今度は懐に隠し持っている短剣で斬り込む。仲間の死体が丁度よい踏み台となり、十メートル程あった距離を一息に縮める。
再三時空の隙間に逃げようとするも...逃がすわけがない。
右手を煌めかせ、薙ぐようにして相手の首元を斬る。
「────カハッ！？」
「うぉぉおおお！！」
踏み込みが浅かったか、首を落とすには足りない。血が吹き出て、顔にかかるも気にしない。
続けて右肘を曲げ、重心を右足に置き換える。そのまま縦一文字。胸からへその辺りまで切り裂く。
だが──相手もやられっぱなしではない。
未だ健在である相手の左腕が鈍色に光る。
切り込みをいれたままの前重心である俺にはそこまでしか見えなかったが...避けられ──
「オラァッ！！」
「ぐぅぅぅ...！！」
背中から一突き。つい先程焼いて止血した場所をもう一度貫かれる。全身を、胸をかきむしりたくなるような苦痛が襲う。
どうやら相手は虚無空間からナイフを取り出したらしい。つくづく便利な魔法だ。
今度こそ、本当に心臓が機能を停止するかもしれない。
──が、
「天秤の守り手を──舐めるなッ！！」
最後の悪足掻き。胸に刺さるナイフを軸として半回転する。
肉が抉れる感触と共に、血が吹き出る。その感覚さえも、命を感じる糧とする。痛いということは、生きているということ。生きているということは───まだ、負けていないということ。
「死ねぇぇぇ！！」
────ザシュ、、、、ゴトン。
相手が物言わぬ肉片と化す。それは周りの風景と一致するようで、どこにも不可解な点などなかった。...俺が仲間だった肉片に囲まれているだけだ。ただ、新しい死体が増えただけ。
やがて、頭を失った体は壊れた人形のように倒れた。
魔法の真髄だとか啖呵きっちゃったけど、大したこと出来なかったなぁ......
足元の血溜まりは、誰のものだろうか。
全てが小間切れに映る視界が──再び、闇に落ちた。
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haru(プロフ) - 面白いです！ (2021年6月30日 9時) (
レス) id: 6cf492dda0 (このIDを非表示/違反報告)
悠佳(プロフ) - Noraさん» 褒めていただき光栄です！いつも女の子しか描いていないので、うまく描けるかわからなかったのです〜（汗） (2018年11月22日 19時) (レス) id: 378e9b06a8 (このIDを非表示/違反報告)
Nora(プロフ) - 悠佳さん» 拝見させて頂きました。とても綺麗で、思わずみとれてしまう絵でした！本当にありがとうございます。これからも頑張ってください、応援しています。 (2018年11月22日 19時) (レス) id: e36332a8d8 (このIDを非表示/違反報告)
悠佳(プロフ) - こんにちは!イメ画出来たのですが、いかがでしょう？ (2018年11月22日 18時) (レス) id: 378e9b06a8 (このIDを非表示/違反報告)
Nora(プロフ) - ゆうりん＠アニメ厨さん» レスが遅くなり申し訳ありません。(忘れてたなんて言えない...)作品の方、読ませて頂きました。適格なアドバイス、ありがとうございます。これから、いっそう邁進いたしますので、応援のほどをよろしくお願いします。 (2018年8月21日 12時) (レス) id: e36332a8d8 (このIDを非表示/違反報告)
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