『手術』side:勇者 ページ31
「ぅ...んう......」
目映い光が己の体を包むような、心地の良い感覚で目が覚める。
瞼が重く、体が痛い。
「『
しかし、断片的に聞こえるソプラノの声が聞こえなくなると同時に、今まで体を蝕んでいた痛みが消える。
刹那、
「いい加減起きてください、勇者様」
そんな言葉と共に、容赦のないビンタが飛んできたのを肌で感じる。
避け──
「ヘブッ！？...鬼かお前は！」
「勇者様は目がご不自由なので？目の前の超絶美少女が、よもやお見えにならないとは...」
バチン、と小気味いい音と兼ねて、鋭い痛みが頬を走る。
よく言えたものだ、と頬に紅葉を作りながらお姫様を軽く睨む。
憎たらしいくらいに整っているその顔は、どこか沈んでいるように見えた。
「いてっ」
脇腹に軽い痛みを覚え、思わず顔をしかめる。
見に覚えのない痛みを不思議に思いながら、改めて辺りを見回す。
「...ここは王宮の客間ですよ」
と、余程俺が不思議そうなアホ面をかましていたのだろう。ご丁寧にもお姫様が教えてくれた。
王宮の客間、か。...道理で。華美華美しいまでに華美な訳だ。
壁は恐らく大理石が一面に使われており、床には清潔感を思わせる白いタイル。
俺が今寝ているソファも、素材が何かは分からないがフワフワしており、高級なのは間違いなさそうだ。
どうも庶民性が抜けきれてないが故、落ち着くことが出来そうにない。
「──勇者様、おめでとうございます。貴方は、
「はぁ...はぁぁあ？」
盛大に聞き返す。
というか、信じることが出来ない。
「だって、あんなに色々試したんだぞ？それでも魔法は発動しなかったんだ」
「ええ、そうでしょうね。ですが、これは事実です」
テーブルを挟んで向かい合うように座っている俺とお姫様は、互いに大きなため息をつく。
「信じられないのですね？」
「ああ、勿論だ」
分かりました、と小さく呟くと、彼女は扉に向かって歩き出す。
「どこへ行くんだ？」
「ちょっと所用で。すぐに戻ります」
バタン、と重々しい音を立てて木製の扉が閉まる。
妙に威圧感のあるそれを見つつ、寝起きの頭でゆっくりと思考を巡らせる。
「──いっつ」
さっきから定期的にまるで存在を知らせるように痛みを発す脇腹に不信感を覚えた。
試しに、いつの間にか着替えさせられていた薄っぺらい服を捲る。
「──ッ！？これは、いったい...」
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haru(プロフ) - 面白いです！ (2021年6月30日 9時) (
レス) id: 6cf492dda0 (このIDを非表示/違反報告)
悠佳(プロフ) - Noraさん» 褒めていただき光栄です！いつも女の子しか描いていないので、うまく描けるかわからなかったのです〜（汗） (2018年11月22日 19時) (レス) id: 378e9b06a8 (このIDを非表示/違反報告)
Nora(プロフ) - 悠佳さん» 拝見させて頂きました。とても綺麗で、思わずみとれてしまう絵でした！本当にありがとうございます。これからも頑張ってください、応援しています。 (2018年11月22日 19時) (レス) id: e36332a8d8 (このIDを非表示/違反報告)
悠佳(プロフ) - こんにちは!イメ画出来たのですが、いかがでしょう？ (2018年11月22日 18時) (レス) id: 378e9b06a8 (このIDを非表示/違反報告)
Nora(プロフ) - ゆうりん＠アニメ厨さん» レスが遅くなり申し訳ありません。(忘れてたなんて言えない...)作品の方、読ませて頂きました。適格なアドバイス、ありがとうございます。これから、いっそう邁進いたしますので、応援のほどをよろしくお願いします。 (2018年8月21日 12時) (レス) id: e36332a8d8 (このIDを非表示/違反報告)
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