『幕間』少女の儚い理想論:part2 ページ30
「──ありがとう。最後に、私を私らしく死なせてくれて」
虚空を掴むように火柱の中から伸ばされた手が、掠れているが愛しいその声が、私の頭を真っ白にさせる。
「おと、う...さま？」
私は何も考えられなくなり、気づくとひたすらに水属性魔法を乱発していた。
「『青聖龍』！『
私が発する膨大な魔力に気づいてか、『──』様がこちらを向く。
「...『──』か」
「何やってるのよ！早く火を消さないと...誰がこんなことを！」
次に発した彼の言葉は、私と『──』の袂を決定的に別つ結果となる。
「僕──いや、俺だよ」
「はっ？」
「俺が...親父を、殺した」
オレガ オヤジヲ コロシタ
言っている言葉の内容が、理解できない。
...違う。理解したくなかった。
「俺が親父を殺った。...公爵家は『──』に譲るとか言い出したから、殺した」
彼は頬をひきつらせ、唇を醜く歪めた。
「ぼ──俺が継ぐハズだったのに、父さ──親父が馬鹿なことを──へぶっ！？」
彼が突然不思議な力によって吹き飛んだ...否、私が魔法で吹き飛ばした。
思考の何倍も早く、手が出ていた。
「こ、ろす。ころ、す、ころす。殺す、殺す、殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す！」
がむしゃらに、無茶苦茶に、『──』に魔法を放ち続けた。
魔法を放ち過ぎたか、肺から血が逆流する。
血が吹き出てなお、止めない。
『──』を殺すまで、私は止まらない。
その間、なぜか彼は一切攻撃をしてこなかった。火柱の時点で魔力が切れていたらしい。
次第に視界が暗くなる。
魔力切れだ。
庭は既にボロボロになり、所々凹凸の激しい地形は、私の魔法の威力を何よりも色濃く物語っていた。
「義父、さ、ま......」
もう義父さまとは会えないのだ、お喋り出来ないのだ。
辛い現実が私に牙を剥く。
まるで私が世界で一番不幸な少女のような気がして、胸が痛む。
──次に私が目覚めたのは、屋敷の医務室だった。
手当ても完璧にされており、単純に魔力切れっぽいのでもう少ししたら動けそうだ。
「義父さま...どうして死んでしまったの？『約束』したのに、どうして...？私は義父さまを『信用』してたのに、どうして約束を破ったの？」
その暫くあと、『──』が正式に公爵家の当主として認められたことを知った。
『手術』side:勇者→←『幕間』少女の儚い理想論:part1
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haru(プロフ) - 面白いです！ (2021年6月30日 9時) (
レス) id: 6cf492dda0 (このIDを非表示/違反報告)
悠佳(プロフ) - Noraさん» 褒めていただき光栄です！いつも女の子しか描いていないので、うまく描けるかわからなかったのです〜（汗） (2018年11月22日 19時) (レス) id: 378e9b06a8 (このIDを非表示/違反報告)
Nora(プロフ) - 悠佳さん» 拝見させて頂きました。とても綺麗で、思わずみとれてしまう絵でした！本当にありがとうございます。これからも頑張ってください、応援しています。 (2018年11月22日 19時) (レス) id: e36332a8d8 (このIDを非表示/違反報告)
悠佳(プロフ) - こんにちは!イメ画出来たのですが、いかがでしょう？ (2018年11月22日 18時) (レス) id: 378e9b06a8 (このIDを非表示/違反報告)
Nora(プロフ) - ゆうりん＠アニメ厨さん» レスが遅くなり申し訳ありません。(忘れてたなんて言えない...)作品の方、読ませて頂きました。適格なアドバイス、ありがとうございます。これから、いっそう邁進いたしますので、応援のほどをよろしくお願いします。 (2018年8月21日 12時) (レス) id: e36332a8d8 (このIDを非表示/違反報告)
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