『断罪』side:勇者 ページ16
「...別に構いませんが。何をするつもりですか?」
「なに、奴の弱点は抑えてある。お前は...余の側に立っとれ」
ほれ、いつまでも応接室でのんびりしとるわけにもいかんぞ。
それだけ言うと国王は部屋を出た。
そういえばここ、応接室だったのか...
▼▲
「...国王」
「余は悪くないぞ。そ、そりぁ余の配下達が準備したことだがな?」
「...国王?」
「に、似合...ぷっ。くはははははは!似合っ、似合っておるぞ!勇者よ!」
コイツ、他人事だと思いやがって...
「...国王?」
「分かった。分かったからその無機質な目はやめろ」
応接室を出た後、数秒もしないうちに彼の配下に拉致られた。
そのまま正装に着替えさせられ、今は何故か舞台裏にいる。
なんの舞台裏かって?
馬鹿みたいに広い大広間のステージだよ!
ああ、もう。この国にまともな人間はいないのか...?
「では、行ってくる」
さっきまでの態度とは打って変わって大仰な仕草で舞台へと出ていく。
マントを翻す姿が、妙に似合っていた。
「────」
国王が召還の経緯について喋っているのをぼんやりと聞いている。
自分が違う世界に来たのだと、嫌でも実感させられる。
...そう言えば、この世界に来てから視力が良くなった気がするな。
まぁ、どうでもいいか。
すぐ側に、この赤いカーテンの裏側に。
──俺の、
誰がこの世界に俺を導いたか知らないが...『勇者』とか言う、随分と誂えむきな肩書きまで用意してくれたのを今だけは感謝しよう。
「俺の“敵”は絶対なる“悪”」
その声は、表の喧しい歓声に溶けて消えた。が、飽和しきれない程の狂気が、そこには存在していた。
さぁ...断罪を、始めよう。
────
ちょこっとお知らせのコーナー。
こんばんは、之羅さんです。
今回は少なめで申し訳ありません。
さて、ここまで読み進めている猛者がいるかどうかは知りませんが、side:勇者はもうしばらく続きます。
この後、学園を強襲してきた奴らとケリを着けるまでです。
その間夢主は空気です。よろしくお願いします。
以上、ちょこっとお知らせのコーナーでした。
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haru(プロフ) - 面白いです! (2021年6月30日 9時) (レス) id: 6cf492dda0 (このIDを非表示/違反報告)
悠佳(プロフ) - Noraさん» 褒めていただき光栄です!いつも女の子しか描いていないので、うまく描けるかわからなかったのです〜(汗) (2018年11月22日 19時) (レス) id: 378e9b06a8 (このIDを非表示/違反報告)
Nora(プロフ) - 悠佳さん» 拝見させて頂きました。とても綺麗で、思わずみとれてしまう絵でした!本当にありがとうございます。これからも頑張ってください、応援しています。 (2018年11月22日 19時) (レス) id: e36332a8d8 (このIDを非表示/違反報告)
悠佳(プロフ) - こんにちは!イメ画出来たのですが、いかがでしょう? (2018年11月22日 18時) (レス) id: 378e9b06a8 (このIDを非表示/違反報告)
Nora(プロフ) - ゆうりん@アニメ厨さん» レスが遅くなり申し訳ありません。(忘れてたなんて言えない...)作品の方、読ませて頂きました。適格なアドバイス、ありがとうございます。これから、いっそう邁進いたしますので、応援のほどをよろしくお願いします。 (2018年8月21日 12時) (レス) id: e36332a8d8 (このIDを非表示/違反報告)
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