ひと夏の長さより...【Tk×In】 (ページ6)

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涙の色ページ6

伊「…着替え見ます？」

髙「へ！？」

…突然のそんなセリフに思わず変な声が出てしまう。

伊「だってリビングから出て行かないから」

髙「あ、す、すいません…」

普通遠慮してそっち側が出ていくものだと思うんだけどな…。

そう思いながらもリビングを出て行く俺。

ここ俺の家なんですけど！？

さっきから心の中でいろんな言葉を叫んでる気がする…。

でも、ずっと一人で住んでいたからか分かんないけど

なんとなく楽しくて、

少し笑みがこぼれた。

伊「…何一人で笑ってるんですか？
もしかして俺に惚れ…」

髙「何にもないです！早くご飯食べましょ！
冷めちゃいます」

伊「逆切れされた」

そう言って落ち込んだ素振りを見せる伊野尾さんが少し可愛く見えた気がした。

髙「はい座ってください！」

伊「はーいいただきます」

そう言って俺の返事も待たずに唐揚げを口の中に入れる伊野尾さん。

どこまでマイペースなんだろ…

そう思っていた時

伊「…うま、」

そういった伊野尾さんの目から、涙が零れ落ちた。

髙「…え、大丈夫ですか？」

伊「へ？あ、すいません…」

ポタッと机に落ちた涙は

透明なはずなのに、何故だか

綺麗な海の色に見えた。