ひと夏の長さより...【Tk×In】 (ページ20)

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君の嘘に涙する。ページ20

朝。

肌寒い風が頬にあたる寒さで目が覚める。

髙「ん…」

…あれ？

朝起きたらいつも何故だか白米だけがお茶碗に乗って置いてあって起きた頃には白米の香りが鼻を掠めるのに、今日は何故だかお茶碗によそってある白米の香りが今日は鼻にかからない。

髙「体調でも悪いのかな…？」

そう思って伊野尾くんが寝ているはずの寝室へと向かう。

髙「伊野尾くーん？…いない。」

そう呟いた時空いていた窓から降り注いだ風とともに俺の元に一枚の紙がひらりと舞い降りた。

髙「…なにこれ、」

綺麗にふわりと舞った紙は俺の掌の上に降りたった。

そして、その紙に興味を持った俺は綺麗に折りたたまれている紙を見開く。

髙「…今までありがとうたかぎ。
大好きでした。」

髙「…どういうこと？」

理解しなきゃいけないのはわかってても、頭があまり回転してくれない。

伊野尾くんは…いなくなったってこと？

でも、ホームレスだったら…すぐ近くにいるはず。

そんな考えが頭に浮かんで、急いで家を飛び出して街を走る。

…どこ。

どこ？

ホームレスなんて、この当たり全然いないじゃん…

そんな考えを頭に。

ひたすら街を走り続ける。