ワスレナグサ ( ym × ar )

▽ 41 ar ページ41

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『 .. 幸せ、だよ ... 』




情けないくらいに震えた声だったけど、はっきりそう言った俺とは対照的に伊野ちゃんは黙り込んでしまった 。




『 どうして、そんなこと聞くの .. ？ 』




酔った俺のことだからきっとベラベラ自分の恋愛沙汰をみんなに話しちゃったのかな 。
みんな大人だから、言いふらしたりなんてしないけど、今の自分の状況を知られたくなかった 。





好きな人に浮気されてるかもしれないって
すげー惨めだし、



なにより、山田の口から事実を聞くまでは、彼のことを信じていたいってのが本心だった 。





「 ... だって、山田は知念が好きなんでしょ ？
もう振られちゃうかもしれないって大ちゃん自分で言ってた 、 」





自分を苦しめているのは明らかに自分自身 。





『 なんで、いのちゃん泣くの ... 』




俺に同情したのか、俺のことを思ってか、
関係無いいのちゃんを泣かせてしまって罪悪感が押し寄せる 。




『 俺、大丈夫だもん 泣かないで ... 』





「 ... 本当に泣きたいのは、大ちゃんの方だよね 」




少し乾き始めたふわふわな髪の毛を撫でていたら突然そんなことを言われて、何故だか頬を涙が伝った 。







「 もう、辛い思いしなくてもいいんじゃない
？ 」





髪を拭いていたタオルで俺の顔を拭くいのちゃん

そう言った時の表情はタオルに隠れたせいか、視界が涙でぼやけたせいか
きっと両方だったけど、見えなくて、
それに甘えて言葉の意味もわからないふりをした 。







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