ワスレナグサ ( ym × ar )

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結局、オムレツではなくスクランブルエッグとトーストになってしまった朝食を食べ終え

リビングで2人肩を並べてバラエティ番組を見た 。




俺には興味も関心も全くないし普段なら絶対見ないけど隣にいる山田は楽しそうだから
さっきから俺は画面じゃなくて隣に座ってる山田を見てた 。





「 大ちゃん、おいで 」




自分の膝を軽く叩いて俺の腕を引っ張るのは膝に乗っていいよって合図 。
メンバーがいる時は、大抵知念の特等席になっているし、考えてみれば人前で堂々と山田の膝に乗ったことなんて1度もない




『 やまだの匂いがする 』




向かい合うように膝に乗って首元に擦りつくと当たり前のように香る山田の匂い 。


きつい香水じゃない
だけど癖になる、脳がとろけてしまいそうな甘い香り 。



「 犬かよ(笑)」




俺の髪に指を絡ませて笑う顔は、造り物のように綺麗で
プライベートでもアイドルをしている時と変わらないこの顔に、こいつは本当に人間なのかって疑うくらいだ 。






顎のラインとか目尻とか俺の好きな所が詰まっていて、笑う顔を間近で見たら
どこにも行って欲しくない
誰にも渡したくないってそんな感情がより一層心の底から湧いてくる 。






『 んっ 、 』






突然、俺の耳朶を捉えた熱くうごめく山田の舌
クリアに聞こえる水温に身体も脳も痺れてしまいそうだった 。







「 夜まで、待てないかも 。 」








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