無理すんなよ、【 2 】

視覚障害【ぽんかん様リク】※変更あり ページ5

・リアルですが、山田くんが中途失明(アイドルになってから失明)した後という設定です。

山田サイド





｢山田、いける？撮影次だって。｣




楽屋で座っていると聞こえてきた、大ちゃんの声の方を向いて、返事をする。




｢うん。｣


｢手触るよ。はい、腕持ってーゆっくりね。｣


｢分かってるよ。｣




仕事の時の移動は、人の出入りが激しい場所が多いし、いつもマネージャーやメンバーに付いてもらっている。


俺に合わせて歩いてくれる大ちゃんの腕を持って、移動する。




｢おぉ、おはようございます。｣


｢｢おはようございますー。｣｣


｢今のは、｣


｢スクール革命で一緒になったことある、〇〇さんだ。｣


｢正解。｣



移動中挨拶してくれる人もいるんだよ。


目が見えくなった俺は、多くの人と関わる仕事なのもあって、声で人を判別できるようになって。


まあ、たまに勘違いしてしまうこともあるから、マネージャーやメンバーが教えてくれるんだけど。


今日は雑誌の取材。


メンバーと撮る時もソロも、カメラ目線は求められないから、その分撮影のテーマを強く意識するようになった。


迷惑をかけることが多いけど、それでもジャニーさんやメンバーが、ここに立ってて欲しいと言ってくれた。


だからこそ、今もアイドルとして活動させてもらってて。


本当にいい人達に恵まれて、ここまで仕事させてもらってるんだ。




｢カメラマン林さんだったよ。｣


｢おぉ、久々だ。｣


｢着いた、入るよ。｣


｢うん。｣




扉の開く音が聞こえる。




｢｢お願いしまーす。｣｣


｢久しぶり。じゃあ、そこの椅子に座ってもらっていいかな。｣


｢はい。｣




照明がたかれているからか、じんわりと熱を感じる。




｢これ、背もたれ。｣


｢ありがとう。｣


｢リラックス、ね。｣




俺の手を背もたれに触れさせ、椅子の位置を知らせてくれた後、大ちゃんが離れたのを感じる。




｢お願いします。｣


｢うん、じゃあ山田くん、足組んで、頬杖ついてみよっか。儚い感じで。｣


｢うん、いいよ〜いい表情！！｣




今日も、みんながアイドルにしてくれる時間が始まった。

・→←作者からの謝罪(必読)

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す