無理すんなよ、

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山田サイド





｢ぁ、、けほっ｣




がらがらな第一声と、見慣れない景色にびっくりする。


すると、パサッと音がした後、視界の端から長い腕が伸びてきて、額の冷たさが取り除かれる。




｢やま、おはよう。｣


｢あ、下がってるよこれ！まだちょっと熱いけど、良かった…今どっか辛いとこある？｣


｢んーん、｣




首筋に手を当てられ、ホッとしたような裕翔の顔を見ながら答える。


掛け布団が2つ掛けられ、スウェットで寝ている自分に気づく。




｢病院行った時は39度もあったんだよ？でもぐっすり寝てたから、下がったかなー、｣


｢おれ、どんくらいねてた？｣


｢いま夜8時だからー5時間くらい？｣


｢脱水に気をつけてって言われたから、はい！｣




台本、加湿器などが置かれた枕元の小さなテーブルから、ストローのささったコップをとり、




｢体調崩した時はやっぱスポドリだよね！！｣




と何故かドヤ顔で俺の顔の前に突き出されるから、素直に飲ませてもらう。


そんな裕翔は私服のまま。




｢ありがと、、あの、飲み物もだけど、着替えとか、ずっとついててくれて。｣




と言うと、照れがちに、




｢ふふふ、やまの寝顔可愛かった。でもごめんね、ずっとは隣に居れなかったの。｣


｢あ、熱計っとこうか。ごめんね、体温計ちょっと冷たいかも…｣


｢、、あれ、｣




ちゃんと挟んでるつもりなのに、どうしても傾いてしまう体温計。




｢熱高くて、疲れたね。腕押さえるよ？｣




少しして電子音が鳴り、裕翔が抜き取る。




｢37度7分。まだ高いなぁ。｣




そう言ってパタパタと出ていったと思ったら、いい匂いと共に帰ってきて、テーブルに何かを置く。


体力を使ってしまったのか重い体を起き上がらせてくれて、目に入ったのは、小さめの鍋。




｢お粥作ってましたーー卵入りだよ、メープルじゃなくて卵入り〜。食べれる？｣


｢ありがと、、笑。少し食べたい。｣


｢じゃあ、あーん、｣




上気する頬と耳に熱が集まる感覚は、熱がぶり返したかな。




｢いやいいって。｣


｢あ、ごめん冷ましてなかった。ふー、ふー、はい、やまちゃんお待たせしました。｣




これは、、諦めるしかないなと思って、控えめに口を開ける。




｢もう、、まじむり、、、｣


｢どう、美味し、？｣

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