・ ページ39
山田サイド
「いや、起きてたい。」
「もう無理しなくていいって、」
「隣来て。」
「はい。」
ソファが沈む。。
朝、個人の仕事をこなしていた時から感じていた寒さは、気づくと熱を伴うようになり、座っていてもフラフラしてしまう。
今はなんだか人肌が恋しい。
「え、!?」
「ごめん、ちょっとだけ。」
裕翔の膝に倒れ込むと、驚く声。
続けて、柄じゃないこと言ったもんだから、ドン引きしてるかも。
迷惑掛けてるなぁと思うけど、ボーッと壁を見つめることしか出来ないでいると、冷たい手が額に当てられ、気持ちいい。
「ずーっとそのままでいいよ。」
「あ、顔見えない…」
でも裕翔は、ちゃんと俺の悪循環する思考を終わらせる言葉をくれる。
おまけは気にしない。
寝転んだはいいけど、もはや眠ることすら出来ず、汗が吹き出す体を自ら抱き締め、熱さと悪寒をやり過ごす。
「ただいま。」
「今日は裕翔なの、俺が膝枕代わろうか?」
黙ったまま、拒否を目で訴える。
「おかえり。触った感じ結構高そうなんだよねー…」
大ちゃんは、俺の腕を上げて体温計を挟んでくれる。
「辛そうだもんなー。」
少ししてピピッと鳴った電子音に、裕翔が体温計を抜き取り、
「うわ、これはきつい。」
「何度?あー…」
「お、ちょうど計ったとこ?」
「あ、薮ちゃんおかえり。それがさ…」
「高いなー。」
「山田、聞こえてる?」
薮ちゃんが急にしゃがんで俺を見るから、小さく頷く。
「涼介、今日はさ、やっぱりお休みしない?」
え、なんで?最後、4人の撮影くらい、頑張れる。
「え、おれできるよ。」
「うん、そうだね。でも、限界まで頑張ることが大切な事じゃないよね。」
「レンズ越しだったとしても、伝わっちゃうものだよ?自分のためにも、ファンの人のためにも、休むべきだと思う。」
薮ちゃんの言うことは正しいけど、溢れてしまうやり切りたかった気持ちを、袖で拭う。
「スタッフさんとは話してきたよ。延期できるって。気づかなくてごめん、お大事にって。」
真剣で強い口調から一転、ふにゃふにゃ笑顔で優しく話す薮ちゃん。
「やま、一緒に帰ろ。」
と言ってから、赤くなっちゃう…と呟いてハンカチを手にする裕翔に、感謝を込めてジーンズをきゅっと握る。
「え、やま赤ちゃんみたい、、」
「はい、山田の荷物。頼んだぞ!笑」
326人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Mizuiro(プロフ) - あすみさん» 了解しました!!楽しみにしてます!(全然BLっぽくても大好きです…) (2020年2月11日 1時) (レス) id: d9fab4f173 (このIDを非表示/違反報告)
あすみ(プロフ) - Mizuiroさん» 最高…!感激ですちょっとBL感が出てしまいましたが…すみません(--;)喜んで頂けて良かったです(;▽;)リクありがとうございます!!書いた通りTwitterでの公開となること、お話を上げるのが遅いと3月頭くらいになってしまうこと把握お願い致します! (2020年2月9日 0時) (レス) id: d4de4d3e86 (このIDを非表示/違反報告)
Mizuiro(プロフ) - ゆとやま「高熱」最高でした…!山田くんのツンデレ具合がかわいすぎて!ヤバかったです! リクエスト、同じ人がしてもいいということなので、お言葉に甘えて。ゆとやまの関係はそのままで、山田くんが看病するお話読みたいです! (2020年2月8日 10時) (レス) id: d9fab4f173 (このIDを非表示/違反報告)
あすみ(プロフ) - みみさん» 詳細にリクエストして下さってありがとうございます書きやすいです!!承知しました、2月か3月にお話出しますのでお待ち下さい( ´ ` *) (2020年2月4日 16時) (レス) id: d4de4d3e86 (このIDを非表示/違反報告)
みみ - リクエストよろしいですか?山田くんが胃腸炎のことを隠したままライブに出て、ライブ終わりにホテルのシャワーで吐いてるところをたまたま部屋に入ってきた知念くんに見つかって看病してもらうお話がみたいです!是非よろしくお願い致します!! (2020年2月4日 4時) (レス) id: 478132008f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あすみ | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/asumi_ry
作成日時:2020年1月8日 14時