・ ページ25
山田サイド
次の瞬間、後ろを歩いていたはずのいのおちゃんに、前から抱きしめられていた。
「さあ帰ろっかぁー。」
と言うと、ふわっと持ち上げられた体。
目の前にいのおちゃんの顔があって、
「軽いなー。おれでも抱えられんじゃん。」
いのおちゃんの細い腕に抱えられている状況に驚く。
そんな落ちたかな、体重。
でも、運ばれてる揺れにすら痛みが助長されて。
「くぅっ、、、」
「ごめんね、ちょっと我慢ね。目閉じときな。」
囁くように言われて目を閉じるけど、ふわふわする感覚が気持ち悪い。
倒された席にそっと下ろされると、今度は後悔が押し寄せる。
なんで薬切らしちゃったのかな。
その状態で無理したのは俺自身だけど、激しい痛みにイライラしてしまう。
「傷になっちゃう。」
見透かされてるみたいに、爪が食い込む俺の手は、いのおちゃんによってスルッと解かれる。
「マネージャーが病院で薬もらってくれるから。すぐ帰れるよ。」
「家ついたら起こすから、寝てな?」
小声のいのおちゃん。
「はぁ、、、いいよ1人で済ますから。」
「いのおちゃん他の空いてるマネ呼んで早く帰って、、、」
優しく話してくれるいのおちゃんに、つい自分へのイライラが向いてしまって、心にもないことを口走ってしまう。
素直になれない自分がもどかしい。
目元に当てたパーカーの袖が濡れる。
「なに強がってんのさっき倒れてた人が笑」
「マネージャー車出しちゃってー。早く楽になりたいでしょ?あ、おれの膝枕がいい?」
自分の不甲斐なさからのイライラをついメンバーにぶつけてしまう時、だる絡みをする時。
それが素直に甘えることが出来ない俺の、特殊な合図だということは、メンバーにはいつもバレバレで。
もちろん小声で話し続けるいのおちゃんにもバレている。
「、、ごめん。」
中途半端な謝罪。
格好悪い、情けないって、分かってる。
「早く寝ちゃいなって、酔ったら余計辛くなるよ。」
聞こえてくる特徴的な声は、更に俺のパーカーを濡らす。
本当に伝えたい気持ちは言えぬまま、眠りに落ちた。
━━━━━━━
いたジャンの食べない系の丁度いい企画が思い浮かばなくて…誤魔化してすみません()
あと、やまだとやまちゃん、いのおちゃんとちゃん、呼び方を混在させて書きますが作者の趣味ですーどっちも呼ばせたかったんです…
327人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Mizuiro(プロフ) - あすみさん» 了解しました!!楽しみにしてます!(全然BLっぽくても大好きです…) (2020年2月11日 1時) (レス) id: d9fab4f173 (このIDを非表示/違反報告)
あすみ(プロフ) - Mizuiroさん» 最高…!感激ですちょっとBL感が出てしまいましたが…すみません(--;)喜んで頂けて良かったです(;▽;)リクありがとうございます!!書いた通りTwitterでの公開となること、お話を上げるのが遅いと3月頭くらいになってしまうこと把握お願い致します! (2020年2月9日 0時) (レス) id: d4de4d3e86 (このIDを非表示/違反報告)
Mizuiro(プロフ) - ゆとやま「高熱」最高でした…!山田くんのツンデレ具合がかわいすぎて!ヤバかったです! リクエスト、同じ人がしてもいいということなので、お言葉に甘えて。ゆとやまの関係はそのままで、山田くんが看病するお話読みたいです! (2020年2月8日 10時) (レス) id: d9fab4f173 (このIDを非表示/違反報告)
あすみ(プロフ) - みみさん» 詳細にリクエストして下さってありがとうございます書きやすいです!!承知しました、2月か3月にお話出しますのでお待ち下さい( ´ ` *) (2020年2月4日 16時) (レス) id: d4de4d3e86 (このIDを非表示/違反報告)
みみ - リクエストよろしいですか?山田くんが胃腸炎のことを隠したままライブに出て、ライブ終わりにホテルのシャワーで吐いてるところをたまたま部屋に入ってきた知念くんに見つかって看病してもらうお話がみたいです!是非よろしくお願い致します!! (2020年2月4日 4時) (レス) id: 478132008f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あすみ | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/asumi_ry
作成日時:2020年1月8日 14時