無理すんなよ、

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有岡サイド





｢熱高いよこれ、やめとこ？やまだ。｣




｢いや、出来るってっ、、言ってんじゃん。｣




ひかたちのやり取りの末、頑固モードに入った山田にそっと近づき、背もたれに預けているのに安定しない体を支えると、伝わる熱さ。


想像以上だなと思いつつ、いつもよりゆったりとした口調で話しかけてみるが、やると決め込んだ山田はそう簡単に折れてはくれない。




｢無理すんなって。明日offでも次の日はまた番宣の仕事あるでしょ？それお休みするってなったらどうなる？｣


｢でも今日だって、ゴホッ、休んだら、めいわくかけちゃうでしょ、｣




とその時、絶妙なタイミングで戻ってきたいのちゃん。




｢今日の収録、延期してもらえるって、やまだーーきょうoffだよぉ！！｣


｢ね、やま、休ませてもらお｣


続けて入ってくる裕翔たちメイク組も、山田の姿を見て顔が曇る。




いのちゃん達さんきゅ、と言ってから、山田の目を見て、言葉をつなぐ。




｢うん、かけないとは言えない。でも、延期してもらえるってさ。それは、普段山田が頑張ってる姿を知ってくれてるからじゃない？｣


｢、、ゲホッ、ケホッケホッ、｣


｢俺らも一緒。山田の頑張ってる姿を見て来たし、これからも頑張って欲しいから、元気になって欲しいの。｣




な？と微笑んでやると、ポロポロ泣き出すから、赤くならないよう気をつけながら、袖で拭ってやると、しがみつく様に俺に抱きつく。




｢おれ、！みんなにも、スタッフさん、にも、、ゲホゲホッッ、め、わく、かけたく、なかっ、、のに、！、、｣


｢うん。｣


｢だいじょぶ、て、がんばったのに、、！｣




さいごまで、がんばれなかった。




そう言って、肩で息をしながら涙を流す山田に、逆に申し訳なくなって、


近くにいたのに、多くの仕事に追われてたこと分かってたのに、こいつは素直に甘えられないの知ってたのに。


でも、そんなことは後だ。




｢お前は十分頑張ってるよ。仕事立て込んでて、大変だったなぁ。俺らには迷惑かけたって何したっていいから。｣




何度も言ってるだろ、と言う前に重くなった体。




手を握ってる人、一足先に荷物をまとめてくれる人、体温計持ってる人、今日泊まろとか言ってる人。




｢俺車まで運ぶよ｣




といって山田をお姫様抱っこしてたり。




みんなおまえの大丈夫は、信用できねーの。




｢大丈夫｣に隠れた気持ちに、気づきたいと思ってるから。





fin.

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