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｢まだ単位間に合うらしい。｣
唐突にそう呟いた樹は、手を止め俺の方を見る。
｢二学期からちゃんと行くわ。学校。｣
｢…そっ、か。｣
思わずにやけそうになる顔を手で隠して、素っ気なく答える。
樹はプリントに目線を戻し、続きを書いていく。
そういえば、
｢俺、来年の4月に家戻る。｣
｢え、まじ？｣
｢うん。元々は家に1人になるからって理由だしね、預けられたの。もう高校生だからさ。｣
｢そっかぁ。実はさ、俺も戻るかもなんだよね。｣
｢え、｣
｢ママとあの人結婚するらしくてさ。3人で暮らしたいって言われたんだよね。まあ、まだ決めてないんだけど。｣
｢そっか。樹、嬉しい？｣
｢…うん、まあ、嬉しかったかな。｣
｢じゃあ、良かったね。｣
｢ありがとう。もう少しちゃんと考えて、年内には決断しようと思ってる。まあ、これ北斗にしか言わないけど、本当はもう一緒に暮らそうかなって方に気持ち傾いてんだよね。｣
｢じゃあ、その時は同じタイミングか俺より後にしてね。寂しいから。｣
｢どうせ学校で会えるじゃん。｣
｢会えないよ。俺家遠いもん。｣
｢あ、そうじゃん。あー、マジか。それ結構やだな。｣
｢どうせ来てなかったくせに。｣
｢だから、二学期からちゃんと行くんだって。あー、でも北斗いなくなるなら来年からはどーかな。｣
｢がんばってよそこは。笑｣
｢冗談、冗談。てきとーにちゃんとするよ。｣
｢ふふ。うん。そうだね。｣
少しずつ前に進んだ俺らは、少しだけ心に余裕が出来て、
今まで後回しにしてた気付かないふりをしてたことが、少しずつ気になるようになっていくんだ。
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りょう(プロフ) - ST.hkさん» コメントありがとうございます！ (2022年1月13日 21時) (
レス) id: 765e1a1650 (このIDを非表示/違反報告)
ST.hk(プロフ) - 作品拝見させて頂きました。樹くんと北斗くんの絡みのお話が読みたいです。よろしくお願いします。 (2022年1月13日 20時) (レス) id: 716f9c3cf3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すー | 作成日時：2021年11月30日 5時
