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｢じゃあ、帰るわ。またな。｣
｢うん。ありがとね。｣
樹が帰って1人になった空間でぼーっと天井を見つめる。
いつもは退屈で寂しくて、はやく帰りたくなるのに、
なんだか今回は帰りたくない。
｢優吾くん、調子はどう？｣
2日に1回、顔見知りの心療内科の先生がカウンセリングに来る。
あんな事があった日から何かとお世話になっている先生だ。
｢…うん。なんかね、あんまり良くないかも。｣
だから、なんでも正直に話せる。
｢そっか〜。｣
｢ん〜。…いつもと違う。｣
｢どう違うのか話せる？｣
｢自分でもよくわかんないんだけど、なんか、帰りたくないんだよね。
もう少しで退院って思うとさ、嬉しいはずなのに苦しくなる。｣
｢…少し、入院期間を伸ばしてみる？｣
｢…伸ばしたい、かも。できるの？｣
｢大丈夫だよ。分かった。手続きと連絡しておくね。｣
｢ありがとう、ございます。｣
胸もモヤモヤが少しだけ無くなる。
少し呼吸がしやすくなって、大きく深呼吸をした。
｢優吾くんが不安に思っていることとか、モヤモヤの理由とか、少しづつ明確にしていこうね。一緒に。｣
｢うん。｣
先生が出ていって、もう一度深呼吸をする。
刹那、漠然とした不安と焦りが襲ってきて、呼吸が上手くできなくなる。
息の仕方が分からなくなって、意識が朦朧としてくる。
必死に酸素を取り込もうとする身体とは反対に、頭はやけに冷静になってきて、
あぁ、やっと死ねるかも。
なんて思いながら意識を手放した。
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りょう(プロフ) - ST.hkさん» コメントありがとうございます！ (2022年1月13日 21時) (
レス) id: 765e1a1650 (このIDを非表示/違反報告)
ST.hk(プロフ) - 作品拝見させて頂きました。樹くんと北斗くんの絡みのお話が読みたいです。よろしくお願いします。 (2022年1月13日 20時) (レス) id: 716f9c3cf3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すー | 作成日時：2021年11月30日 5時
