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｢高地さ、ここに来たばっかの時、まじ喋んなかったじゃん。北斗みたいに引きこもってたわけじゃないし、話しかければ答えてくれたし、遊んでくれたりもしてたけど、なんか壁？あったじゃん。｣
平日、昼間。
家にいる子供は学校を辞めた俺と、学校をサボった樹だけ。
リビングで本を読んでいた俺に樹は昔話を始めた。
｢あー、そうだったね。｣
｢でもさ、きょもとは割と序盤で仲良くなってたじゃん？｣
｢そうだっけ？｣
｢なんか、壁が最初に取れたっていうかさ、ほら、今でもきょもに対して1番辛辣だし。｣
｢それって仲良いの？｣
｢いいでしょ。んで、それでさ、それ何でなのかなって。｣
｢年1番近いし、そん時は部屋一緒だったし。それでじゃない？｣
｢それだけ？｣
ドキッと心臓が音を立てる。
あの日、俺にここに来た理由を話したことも、あいつの家だった場所で起きたことも、皆には話していない。
｢なんで？｣
高地が皆には知られたくないと言ったから。
｢いや、別に。｣
｢それだけ、だと思うけど。｣
｢そっか。｣
樹はあまり納得してないみたいだったけど、それ以上聞いてくることは無かった。
｢樹がなんか勘づいてるっていうか、疑ってる？なんか俺らが仲良くなった理由？なんかあったんじゃないかみたいな。｣
帰ってきた高地に今日あったことを話せば、少し困ったように笑って、
｢なんであの時、お前にあんな話しちゃったんだろうね。まだ小学生だった大我に何を求めてたんだろうね、俺。まあぶっちゃけ、来てくれて安心したけど。ありがとね。ってか、俺らってそんな仲良く見えてたんだな。｣
でもやっぱり、泣いたのは俺の方だった。
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りょう(プロフ) - ST.hkさん» コメントありがとうございます！ (2022年1月13日 21時) (
レス) id: 765e1a1650 (このIDを非表示/違反報告)
ST.hk(プロフ) - 作品拝見させて頂きました。樹くんと北斗くんの絡みのお話が読みたいです。よろしくお願いします。 (2022年1月13日 20時) (レス) id: 716f9c3cf3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すー | 作成日時：2021年11月30日 5時
