さかもと ページ46
.
「きたあああ！ ヒットヒット！！」
「くそーっ！！！」
「何なん、今年強すぎん？」
「……」
MacBookを囲んで歓声を上げるAと、悔しそうに画面を見つめる虫さんと俊光。撮影が終わり、3人は絶賛野球観戦中だ。
「今年めっさ強いし推しが調子いいし最高のシーズンになりそうやわ」
「広島に一矢報いるのは巨人だったか……」
「中日もどうにかならんかな……」
「まじでそれ」
悔しい、とほぞを噛む2人と余裕しゃくしゃくのAの競争はこの時期はほぼ毎日行われている。それが中日ー巨人となると激しさを増す。
「ああ坂本選手……、好き……」
「それは聞き捨てならん」
「はあ……、かっこいい……」
目からハートが飛び出す勢いで画面に釘付けやん。亮の言葉も聞こえとらん。
「きたあああ！！！ ホームラン！！！ さかもとぉー！！！」
……。
野球に関してほとんど分からん俺は高みの見物だけど、とりあえずAの坂本選手への愛は深く、巨人が強い。ホームラン1本で雄叫びを上げて喜ぶ。それだけは分かる。
こんな調子で3人は悲鳴や歓声を上げながら試合を見ていた。
.
横山裕に吉沢亮。この2人だけでなく、俺は坂本勇人選手にも羨望する。
「またケチョンケチョンにされた……」
「最近の巨人はドラゴンズに対して強すぎ！！」
「キャプテン最高です……」
今日の中日ー巨人戦は巨人の圧勝で幕を閉じた。落胆する虫さんや俊光とは裏腹に、Aは坂本選手の強さにうっとりとする。
俺も試合見てたけど、虫さん達とは別の意味で落胆してる。坂本選手が活躍するとAの目に俺が入らん。
「まじで巨人に来てくれてありがとうやわ。関西の誇り」
大阪生まれ大阪育ち、現在愛知在住の巨人ファン。情報量が多すぎるけど、Aは阪神でも中日でもなく、巨人、特に坂本勇人選手を応援している。
中学生の時に行った春季キャンプで当時高卒ルーキーだった坂本選手にサインと写真を撮ってもらったこと、練習する姿が真剣でプロの迫力を感じたのがきっかけでファンになったらしい。おまけに関西生まれで話も面白く、親しみやすさも好きな理由の1つらしい。
「来世は坂本選手の奥さんになりたい」
「今世は？」
「無理やろ。やから、来世で坂本選手の奥さんか妹になれるように得積むんや！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 461人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あおやなぎ
| 作成日時：2019年4月14日 23時
