君は今この空を見ているか (ページ43)

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よくAちゃんは女性ファンの間でセクシーだと話題になっていた。同性だからこそ分かるのだろう。体のラインがとても美しい、隠しているのがもったいないと。

今回はカメラマンの方にそこを引き出されたようだ。素の笑顔の中に織り交ぜられたセクシーで妖艶な表情。ごく一部の人間しか見られなかった一面はてつや、としみつ、僕を動揺に陥れた。

こんなの女慣れした男も、もちろん女の子でもドキドキしちゃうよ。本当に発売しちゃっていいの？
冷静になれた時、こんなことを考えた。

でもYouTuberでありながらモデルとしてもトップを走り続けるAちゃんのバイタリティ、可能性は無限に広がる。

「お前えろ本じゃねえって言ったやん……。こんなもんR 18だがや……」

「そういうこと考えるとしみつの頭こそR 18やろ」

「男はどう頑張っても考えるんだよ！！！」

特に動揺が激しいとしみつは真っ赤になって狼狽する。てつやは黙っているけど、鼻の下を伸ばしてデレデレとAちゃんの胸元に注目していた。

「どうなの、旦那さん的にこの写真集は」

ウォーリー姿のりょうくんがうーん、と考え込む。

「正直言うと露出多すぎ。俺だけが知ってたものが晒された気分」

いやいや。りょうくんしか知らないAちゃんは山ほどあるじゃん。完全に裸になってるわけじゃないし、夜の営み中のAちゃんはこれから先もりょうくんしか見られない。

「でもさあ、このA、すごく楽しそうに笑ってるじゃん」

そう言って指差す方には一眼レフカメラを構えて後ろを振り向き、満面の笑顔を見せるAちゃんがいる。

「この笑顔は色んな人に見てほしいし、素晴らしい出来栄えだと思うよ。俺じゃ引き出せん。悔しいけど」

おお。ウォーリーの格好でちょっとダサいのが残念だけど、言ってることがかっこいい。さすがイケメン。

昔のりょうくんがこんなAちゃんの露出を見たら、嫉妬で燃え盛ってたかもしれない。

「でもよく考えたらこれくらいどうって事ないか。これ下着だけど裸ではないよね。じゃあAの裸って俺しか知らんやん。えっち中どんだけえろいかお前ら知らんやん！」

「ねえ！おっきい声で何言うてんの！？」

「その話詳しく」

「てつやには話さん」

……前言撤回。嫉妬はないけどめちゃくちゃ子どもだった。