君は今この空を見ているか (ページ41)

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3ヶ月と13日ページ41

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今日もこの日がやってきたって感じだな。25歳はとにかく色んなことがあった。

東海オンエアとしての飛躍、退職してYouTuberへの専念、Instagramや個人チャンネルの開設……
ここまで内容の詰まった年齢というのはこの先なかなかないであろう。

「んんっ……、あっ！」

色々あったけど自分にとって1番大きかったのは人生の伴侶を見つけたことだ。しっかり者で努力家で才色兼備だけどちょっと抜けてて天然な所がある、俺の最愛の人。

「あかんっ」

「どうしたどうした？」

Aは時計を見るなり飛び起きた。申し訳なさそうに、機嫌を伺うように顔を覗き込む。

「まだiPhone見てない？」

「もちろん」

「良かったあ……」

胸を撫で下ろしてへへっ、とはにかむ彼女。ゆっくりと近づいてきて、ギューッと首に巻き付く。つい1分前までテーブルにうっぷしていた影響か、ふにゃふにゃの笑顔で呟いた。

「誕生日、おめでとう」

「ありがとう」

「1分過ぎちゃった」

「いいの。iPhone見てないしAが1番乗りだよ」

付き合い始めてから……、いや、再会してからAは1番におめでとうを言ってくれる。正確には俺がそういう風に仕組んでいる。

「毎年その優しさに甘えるから、来年は日付変わる5分前にたたき起こしてほしい」

「無理」

「なんでよ……」

起こすのに気が引けるくらい、気持ちよく寝てるんだもん。こんなやりとり、付き合い始めてからずっとやってる気がする。

「あーあ、また1歳離れちゃったね」

「すぐ追いつくでしょ？」

「まあね。でもしばらくはおじさん」

「こら、せめてお兄さんにして！」

3ヶ月と13日、俺らは1歳違いだ。同い年だし、9月22日が来れば元通りだけどね。ちょっと寂しかったりする。

「とにかく、これからもよろしく！」

「こちらこそ」

今年の誕生日は動画の罰ゲームで21時の門限に帰ってなくてはならない。正直バカ面倒くさい。融通が効かなさすぎる。でもAがいてくれるから、楽しい誕生日になりそうだ。

「今年はAちゃん特製ケーキ作ったる！」

「いいの！？」

「もちろん！林田くんには敵わへんけど」

「あいつが作るのも美味いけど、Aのもめちゃくちゃ美味いから期待してる」

「ハードル上げんとって！？」

これからもずっと、一緒に笑い合おう。