君は今この空を見ているか ページ27
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長かった髪をばっさりショートボブにした。メガネからコンタクトに変えた。
受験で思うように運動ができなくて体重が増えていたから、毎日2時間は踊ったり走ったりペットの犬と散歩したりして、ダイエットをした。
……新しい自分は何だか自分じゃないみたいだった。
中学を卒業し、岡崎を離れて3週間以上の月日が経った。
『迎えに行くから……、待っててほしい』
ふと空を見ると思い出す、彼の気術ない顔。青空のように朗らかに、穏やかに笑う彼が見せた泣きだしそうな顔は空から雨が降るように淀み、灰色の雲に覆われていた。
ねえ、福尾くん。福尾くんは今、この空を見ていますか？
本当はね、あなたと話したいことが沢山ありました。
無邪気で明るくて、朗らかな笑顔が大好きでした。ずっとそばで見ていたかった。
今度会う時はお互い大人になっているかな。笑顔で、あの時こうだったよねって思い出話に花を咲かせられるようになっているかな。
「好きだよ……」
私は空に福尾くんを思い浮かべて呟いた。
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「Aちゃん、元気かなあ」
「元気だら？ まだ3週間しか経っとらんがや」
妹の寂しげな質問にぶっきらぼうに返すも、ふと思い出してまた泣きだしそうになる。
『最後に福尾くんとお出かけできて嬉しかったよ。ありがとう』
俺の青春に深く名を刻んだ。これからもずっと、俺のそばで笑っていてくれると信じてやまなかった彼女はもういない。
『高校もきっと、一緒だよ！』
どれだけ好きだと言っても君には届かない。もっと早く告白していたら、Aちゃんはこれからも俺のそばにいてくれてたのかな。嘘をつかせるようなことはなかったのかな。
後悔先に立たずと言えど、どうしても悔いてしまう。
ねえ、Aちゃん。Aちゃんは今、この空を見ていますか？
本当は、君に伝えたい思いが沢山ありました。
君の真面目でまっすぐで誰にでも優しい性格、可愛い笑顔と笑い声、その全てが大好きでした。
いつになるか分からない。でも、決めたんだ。
次に会うまでに強くてかっこいい男になって、絶対に迎えに行くんだって。
Aちゃんが他の誰かのものになっても構わない。きっと俺も他の誰かを好きになるだろう。
でも、最後に好きになるのは絶対に君しかいない。だから、だからそれまでは……、友達のままで──
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作者名：あおやなぎ
| 作成日時：2019年4月14日 23時
