君は今この空を見ているか (ページ21)

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「じゃあ僕達が質問するー！」

その考えは虫さんも同じだったようでかなり悪い笑みを浮かべている。

「待って、変な質問はせんでよ！？」

「しないから！」

このサブチャンは長くなりそうだ。でもAの質問コーナーはあまりやってこなかったし踏み込んだ質問の回答を聞いてみたいような、聞きたくないような。したいような、したくないような。

「質問！ Aちゃんの歴代彼氏の数は？」

「彼氏は恥ずかしながら2人かなあ……」

「意外に少なくね？もっと色んなやつと付き合ってそうなのに……」

「私ビビるぐらい恋愛に興味なかったから」

としみつに向かってドヤ顔するA。5分を知らせるアラームが鳴ると、シリコンマスクとフェイスマスクを取った。

「保湿したんやけど、ちょっとテカテカしてるから余分な美容液を軽くティッシュで拭き取ります。

美容液残りすぎてるとメイク乗りが悪くなることあるから、この過程は意外に大切やったりします」

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「こっからが本番です。今は夏なんで化粧下地はテカリを気にしながらベースメイクを作るんですけど、私のおすすめはこれ！」

メイクボックスから出てきたのは、可愛らしいデザインの瓶に入った高級感溢れる化粧品だった。

「Paul & JOEの人気下地です。この下地もうすぐなくなりそうなんやけど、冬からやから半年以上使ってるかな。

乾燥しにくいしヨレにくくてお気に入りです。デパコスやけど比較的安価で手を出しやすいから、デパコスデビューしたいって子におすすめ！」

人気下地とやらは左手の甲にワンプッシュされ、額、両頬、鼻、顎に乗せられていく。

「次の質問どうぞー」

「初めて彼氏できたのはいつ？」

Aはてつやの疑問にうーん、と悩む。

「15歳説と16歳説があるかな……」

としみつと虫さんがニヤリと目を細める。俺も何となくその意味が分かるから、Aの中の俺の存在の大きさに嬉しさが募る。

「15でいいんじゃない？りょうくんのために」

「何でりょう？」

そっか、てつやは知らないのか。A王の未公開シーンはサブチャンにならなかったし、あの時の原画は虫さんととしみつとゆめまると俺しか見てなかったんだった。

「……いや、てつやは知らなくていいや」

何でだよ！隠し事はなしだろ！
リーダーは頬を膨らませた。