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酷く落ち込んだおかんに手を差し伸べたのは、当時岡崎に住んでいたおかんのお姉さんだった。
「子供達も連れておいでって言うてくれたから岡崎に引っ越してきたの」
お兄も一緒に行きたかったみたいだけど和歌山の中高一貫校を受験することになっていて、利便性も兼ねて和歌山の母方の祖父母の家に1人で引っ越した。
実家にはおとんが1人。家族は3つに分断した。
言葉では言い表せないほど辛くて悲しかった。でも誰にも相談できなかった。
「そっからやな、Aが自分の殻にこもるようになったんは」
岡崎に来てすぐは私自身の心もボロボロだった。慣れない土地に戸惑った。聞き馴染みのない方言に大阪に帰りたい、とおばあちゃんに電話したこともある。でも流星のために強くいなければならない。
「その時に俊光の家族が手を差し伸べてくれたの」
おばさん夫婦もいとこのお兄ちゃんも、文句を言わんと私と流星のお世話をしてくれたし遊んでくれた。でも流星は赤ちゃんですぐに馴染んでいったけど、物心がついている私はそうもいかんかった。家でも学校でも無理をして笑っていた。
小学5年で泣くことを忘れた私を特に救ってくれたのは、同い歳で同じクラスのとしくん。
『Aさん』
『ん？』
『Aさんってさ、泣きたいんじゃね？』
『へっ？』
俊光は当時から天然でポンコツだったけど、洞察力が鋭かった。
『必死で笑おうとしてんのが伝わるげえ……』
よく分からんけどおれの前では泣けよ。
『お前のこと、おれが守るから！』
そう言って笑い、頭を撫でて抱きしめてくれた。
『ふっ……』
としくんの優しさが堰を切る。
『やっぱりお前、泣くのこらえてたんじゃん。我慢したらいかんやん』
『やって、お姉ちゃんやもん……っ』
『姉ちゃんが泣いたらいかんって誰が言った？ 言っとらんだろーが、ばか』
この時の会話をとしくんのお母さんが聞いていたと知ったのは大人になってから。この日は鈴木家にお世話になって少しだけ泣くことを思い出した。
「こっからかな、としくんと仲良くなったのって」
「……いいなあ、俺も小学校一緒がよかった」
「でも小学校が一緒やったらこうはなってないよ」
「厳しっ」
おかんがクスクスと笑う。私は亮と出会ったのが中学校で良かった、って思っている。
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あおやなぎ(プロフ) - みぃさん» ありがとうございます！ MIYAVIさんのギターと元の動画を見た時に書きたいと思った自己満です^^; 楽しめていただけたなら嬉しいです(^^) (2019年4月14日 9時) (
レス) id: c05e59e944 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - MIYAVIさんファンとしてはプチMIYAVI選手権楽しかったです！ (2019年4月12日 23時) (レス) id: b1b76353f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あおやなぎ
| 作成日時：2019年3月21日 22時
