愛を知る ページ20
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おとんは意外に私のことを考えてくれてたんや。さっきまでの混乱したおとんはどこへやら、亮にしっかりと頭を下げている。
『いい男に捕まった』。
ここで『いい男を捕まえた』と表現しないのは、少し恥ずかしがり屋でいじっぱりなおとんらしい。
でも私も完璧超人な男に捕まってしまったと思う。私のどこに魅力があったのか、熱く語られた今もよく理解できていない。
「こちらこそよろしくお願いします」
亮も返礼する。ふとおかんと目が合って良かったね、と口を動かし、私は首を大きく縦に振った。
「はあ、どうなるか思ったわ！
何から話せばええか分からんなんて、ほんまにアホちゃうか？」
「大事な大事な可愛い娘が初めて彼氏連れてくんねんからそうなるやろっ！ YouTubeで見るより何十倍もイケメンやしやな！」
2人が顔を上げるやいなや、そんな夫婦漫才のような会話が始まった。
「はあ、ほんまのほんまに本気やねんな……」
「そうやで。亮くん、中学の時からAと一緒におってくれてありがとうね」
「いえいえ。こちらこそAには沢山感謝してます」
「Aは男を見る目があるわ。おかんみたいにアホを捕まえんと、しっかりした子連れてくんねんから」
「なんやとっ！」
辛辣やと思いつつもおかんにも見る目がある。おかんがおとんと結婚してくれへんかったら、私が亮と出会うことはなかった。
「今やから話せるけど、Aが明るくなったんも、亮くんと俊光くんのおかげやし」
「そうなんですか？」
「それまでは気を張ってたもんでね」
おとんとおかんが悪いねん。そう言い捨てたおかんの寂しげな表情に、あの頃の家庭状況を思い出した。流星が生まれてすぐ、坂元家史上最大の危機が訪れた。
「私達が不仲になってしもうて、Aを必要以上に大人にしてしまったんよ」
流星が生まれて1年後、おかんの妊娠中におとんが不倫したのではないかとの疑惑が持ち上がった。
今では笑い話になったし不倫の事実もなかったものの、子育て真っ只中に起こったそれはおかんを酷く衰弱させた。
目に見えて弱っていくおかん。気にかけてはいるものの、原因が自分やから手出しできないおとん。お兄は勉強が忙しい。
流星のためにしっかりしなあかんのは自分なんや、と小学生の私はずっとそう思っていた。
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あおやなぎ(プロフ) - みぃさん» ありがとうございます！ MIYAVIさんのギターと元の動画を見た時に書きたいと思った自己満です^^; 楽しめていただけたなら嬉しいです(^^) (2019年4月14日 9時) (
レス) id: c05e59e944 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - MIYAVIさんファンとしてはプチMIYAVI選手権楽しかったです！ (2019年4月12日 23時) (レス) id: b1b76353f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あおやなぎ
| 作成日時：2019年3月21日 22時
