愛はかたまり。 (ページ48)

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準備とご飯とページ48

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「もう嫌や！てつや起こしてくる！」

勢いよく立ち上がったAちゃんは、駆け足でてつやの部屋に逃げる。

程なくして起きろ、とという声とともに痛い、とてつやの悲鳴が聞こえてきた。どんな起こし方をしたら痛いに繋がるのか。

カメラを持っていけば良かったけどあまりにも早かったもんだから、寝起きのてつやを撮影できなかった。

「もっと優しく起こしてよ……」

頭をかきながらてつやがブッサイクに顔を崩して、撮影部屋にやってくる。無精髭が生えたままで不機嫌そうで爽やかのさの字も見つからない。

「午後から体力テストの撮影やろ？ご飯前に準備して！」

「分かった……」

照れを通り越してお母さんみたいだな。Aちゃんが母親になったらこんな感じなのかな。

「今日もあれ？昼ご飯じゃんけん？」

僕が聞くとそうするか、と皆が頷く。

「じゃあ準備する前に決めよっか」

さっき使ったカメラを手に取ってスイッチを入れる。昨日はりょうくんが勝ってハンバーグになった。今日はゆめまるが加わって、より一層選択肢が増える。

「お前ら！今日の昼は何が食いたいんだ！僕は今日こそラーメンが食べたい！！」

「味噌カツ！」

「わしは寿司！」

「俺、Aの作ったオムライス」

今日もAちゃんの手料理が選択肢に入った。今日はとしみつの指名だ。

「また私！？」

「ケチャップで名前書いてな」

Aちゃんはバカタレ、ととしみつの肩を叩いた。

「ゆめまるは？」

「俺？ガストの出前」

「うわー、それだけはない」

「戦犯」

一同からブーイングが飛ぶ。不味くはないけど気分じゃないな……。

「Aは？」

りょうくんがAちゃんに話を振る。

「私？フルーツポンチと野菜サラダ」

「えっ」

いや、女子かよ。女子だけど。いつも優しい微笑みをかけてくれるりょうくんが目を点にした。

「お前が1番戦犯やったわ！ふざけんな！！」

「なんで！ふざけてない！」

「少なすぎ！もっと食べんと体力持たんよ！？」

「運動前はお腹に入らん！」

昨日に引き続きAちゃんが出すメニューがあっさりしすぎている。なんなら昨日よりも量がない。

「ジャンケンだー！」

てつやの掛け声で5本の手が真ん中に出る。勝つ、ととしみつが気合いを入れた。

「最初はグー！」