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心臓 ページ41

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「……ふふ」


「何で笑うんよ……。ほんまに痛いのに……」


完全に拗ねたAはいつにも増して甘えん坊だった。肩に顔を埋めてギュッと抱きつく。

すっぴんの肌は、メイクして寝たとは思えぬほどツヤツヤでニキビ1つない。1回の過失で肌が荒れないのはスキンケアの賜物なのだろう。



「んー、いい匂い」


「あ、りょうくんの耳が赤い」


ゆめまるがにやける。



「うるさい」


「顔も赤いよ?」


「虫さんまで……」


顔を上げたAは可愛い、と太陽のように眩しい笑顔を見せた。



Aと付き合ってから、俺は拭き取り式のメイク落としを買うようになった。Aが起きた時、やらかしたと後悔しないように。

Aは体力はあるけど忙しい人だから、時々無理をすることがある。無理が祟るとあらゆる場所で寝落ちしている。Aによると、気づいたら意識が飛んでいるらしい。

車の中、リビングの床の上、ソファ、抱きしめている時。今回みたいにベッドにダイブしてそのまま寝てたりもする。

入浴中に浴槽のふちに頭を置いて器用に眠っていることもあるし、1番驚いたのは玄関でうつ伏せで倒れていたことか。あの時は死んだのかと思ってものすごく焦ったけど、よく耳を澄ますと寝息が聞こえてきて安心した。心臓に悪い。絶対にほっとけないし、Aの予測不能な行動に寿命が縮まった。

でも惚れた弱みというのか、そういうAを守りたいとも感じている。


早く同棲したい。同棲すればどれだけ寝落ちしても、俺がベッドに運んであげられる。今よりも近い距離で支えてあげられる。




「A、今度家、調べよう?」


「家?」


「そう。昨日の同棲の話。色々調べてみたけどAがおらんと決めれんからさ、今度の休みで調べようよ」


ポカンとしていたAは再び満面の笑みを浮かべてうん、と頷いた。



「えっ、りょうくん達そこまで進んだの!?」


虫さんが声を上げる。



「同棲っていよいよじゃん……」


ゆめまるは呆気に取られた様子だ。



「うん。年内には始めたいなって思っとるよ」


今年は後半がイベント続きで忙しいから、できれば夏、遅くとも秋には始めたい。今は春だから少し時間がある。


仕事関係の方々はもちろん、自分とAの両親にも挨拶を済ませておきたい。僕達は本気で結婚を考えてます、って。

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作品ジャンル:恋愛
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みぃみぃ(プロフ) - 主人公と、てつとしの絡みがもっと見たいです! (2019年7月18日 15時) (レス) id: 4c3df14bca (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あおやなぎ | 作成日時:2018年9月5日 23時

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