愛はかたまり。 (ページ32)

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本領発揮ページ32

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「それでは第3問！ Aちゃんの好きなアーティストは？」

「これも愚問やん。好きなアーティストも多いよね……」

「虫眼鏡が俺らをいじめにかかっとる」

りょうくんとてつやは納得がいかない、と言わんばかりに喚く。その間にとしみつはスラスラと文字を書き連ねていた。

音楽関係になるととしみつの強さが発揮される。2人が書き始めるのと同時に、としみつはペンのキャップを閉めた。

「そんなことないよ！

でも選択肢が多いから部分点を貰える可能性は高いよ？」

そう言うと、てつやはハッとしたように目を見開く。

「そっか、その手があったか……！」

次第に笑顔が見えてくる。

「えっと、てつやくん、さっきの部分点よね？頭悪いの？」

「……酷い」

でも笑顔のつぼみを踏んづけたのはAちゃんで。せっかくの嬉しそうな顔が瞬く間に拗ね顔へと変化した。

「拗ね顔ブスだなー」

としみつが鼻で笑う。

「うるせえやいっ！！」

てっちゃんはますます拗ねたようで、下唇を尖らせてホワイトボードに向かった。

「それではとしみつからどうぞ」

「HY」

「俺はこれしか思い浮かばんかった。エイト！関ジャニ∞！」

「俺も関ジャニ！」

「それでは正解です」

『2つ言うね？ HYと関ジャニ∞』

「ということで全員正解！！！」

この問題はAちゃんの決められない性格が3人の正解に繋がったと思う。

「よっしゃ！今日調子いい！！」

さっき不機嫌だったとしみつはすっかり生理が終わったらしく、テンションが急上昇していた。今の所全問正解だし当たり前といえば当たり前か。

「てつやとりょうももちろん素晴らしいけど、としみつの回答はもっと凄いと思うで」

Aちゃんは感心したように頷く。

「1人だけHYだもんね？」

「関ジャニが確実やと思ったけど、HYのライブ一緒に行ったし賭けた」

Aちゃんが本当は2ポイントあげたい、なんて言うもんだからとしみつはもっと嬉しそうだ。

「HYのSong for…って曲が学生時代の自分に重なるんですよ。私が恋を乗り越えてきた曲」

Aちゃんは懐かしそうに目を細めた。

「あー、そういえば言っとったな」

てつやが思い出したように呟く。ちょっと前、りょうくんがいない時に恋バナしたんだよね。

「その話詳しく聞かせて？」