愚問 ページ31
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「第2問! Aの趣味はなんでしょう?」
「趣味?」
「Aにこれは愚問すぎん? 多趣味やん」
「選択肢が多すぎて分からんげえ……」
「迷ってるねえ」
3人が頭を抱えたり顔をしかめて悩むのを、Aちゃんは嬉しそうに眺める。
「ヒントは!? 1個だけくださいっ」
てつやが土下座をすると、続けてとしみつも教えてください、と土下座をする。
「どうする? あげる?」
Aちゃんは一瞬顔を強ばらせたと思うと、
「私は全然ええよ! 何個でもどうぞ」
腕で大きな丸を描いた。いいんかーい。
「いや1個だけにしりん?」
「うん。1人でも複数でも楽しい」
「あっ、分かったかも」
……としみつのペンを持つ手がスピードを増す。他の2人はピクリともしない。それにしてもAちゃんのヒントの出し方、ばか上手いな。
「それではてつや、としみつ、りょうの順に出してください」
「えーい! お菓子作り!」
「カラオケ」
「ゲーム」
2問目にしてバラけたか。でも僕的にはどの回答も的を得ているように思う。
「それでは正解です!」
『これは1人カラオケ一択でしょう』
「ということで、としみつ1ポイント!」
「よしっ」
としみつが小さくガッツポーズをする。
「ナイス回答!」
Aちゃんもパチパチと拍手を送った。
「さっきのヒントでピンと来た」
ここは音楽が好きな2人ならではの意思疎通というべきか。Aちゃんもとても嬉しそうに微笑む。この企画のいい所は自分のことをどれだけ知っているのか、確認できる所にある。
「ちなみにお菓子作りも間違ってはない」
「じゃあ0.5ポイントだけでも……」
てつやが手を擦り合わせる。
「それはなし。趣味とは言ってない!」
「何でりょうが決めるんだ!」
「喧嘩すんな」
完全に負け犬の遠吠えやん。としくんが余裕ぶっこいて2人を宥めてる。
「私はてつやに0.5ポイント上げてもええと思うの。虫さんどうする?」
「お願いっ」
……おねだり顔が可愛くない。でも、
「……Aちゃんに免じていいよ」
「やったあああ」
Aちゃんが覗き込む顔が綺麗だったから許そう。
「おかしい! ゲームは!?」
「ゲームは違う。0ポイント」
Aちゃんに不正解を言い渡されたりょうくんは、ものすごく拗ねていた。
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みぃみぃ(プロフ) - 主人公と、てつとしの絡みがもっと見たいです! (2019年7月18日 15時) (レス) id: 4c3df14bca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あおやなぎ | 作成日時:2018年9月5日 23時