愛はかたまり。 (ページ25)

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凸凹凸ページ25

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ちょっと目を離した隙にてつやを落とそうとして……。本当に困った子だ、Aは。

「りょう、ありがとう……」

頬を赤らめたてつやがため息を1つ吐いた。

「A、そういうことは誰かれやっちゃだめ」

「はーい」

Aは呑気に返事して、ごちそうさま、と立ち上がる。本当に分かってるんだか……。

てつやとは違う意味でため息が出た。

りょう【東海オンエア】
うちの女の子が小悪魔すぎて困ります

瞬く間にRTやいいねがつき、コメントもものすごいスピードで流れていく。

Aが食器を洗う姿を盗撮し文字列とともにツイートすれば、男と思われるファンから可愛いとか、イチャイチャしてるとか、彼氏目線とか、色んな返信が来る。

そんなこと知っとるわ。Aの可愛い瞬間なんて俺が1番見てるし。顔も知らない誰かに嫉妬してしまう自分がかっこ悪い。

自分が嫉妬深く、独占欲が強いと気付いたのはAに恋をしたから。女に困らんなんて言われるけど、Aには困ってる。

でもそこが好き。Aの手のひらの上で転がされまくってる。

「りょうくんのせいで通知止まらん……！」

食器を洗い終え、隣に座ってスマホを確認しているAが焦ったように見つめる。

「Aが悪い」

「なんも悪いことしてないし！」

「Aちゃん、りょうくんはね……」

なっ、余計なこと言おうとしてる。ほくそ笑む虫さんの後ろに回り、口を思いっきり手で塞ぐ。小さいからすっぽりと収まる。

「……っ！！！」

虫さんは声にならない声で呻き、俺の腕を何度も叩いた。

「っ、はあ、もう、りょうくん酷すぎ！！」

「虫さんが余計なこと言おうとするからいけないんだよ」

「なんも言おうとしてなかったやん！！」

いや、言おうとしてた。確実に何か企んでた。

「嘘をつくんじゃない！」

「っ、いったあっ！！」

俺は虫の額にデコピンを1発食らわす。バチッと皮膚が乾いた音がリビングに響く。裏声の悲鳴が響いたせいもあってか、Aとてつやが笑い始めた。

「ふははははっ」

「ねえ笑い事じゃないよ！君の彼氏ばか酷い！！！」

「よしよし」

Aは15cmほど小さい虫さんの頭を撫でる。

「チビ扱いするな～！！！」

「まあまあ、そんな怒らんと落ち着いて？」

「もっと怒るげえ！！！」