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episode:糸師 冴 ページ26

糸師 冴の場合

「もういいだろ。早く俺と付き合え」

『イトシサエ』


インターンも無事に終えて月城学園に戻った。
平穏な日々。けれど確かにブルーロックプロジェクトは
世界を巻き込んでいった。

ここからは私は一般人として、
世界的なシェフになるために研鑽を積もう。
そんな矢先に学園の前に居たのは有名人。

しかも知っている人だ。


「え?え?あれ糸師冴選手?」

「あー!やばい!顔面国宝...」

おかげで大注目の的だ。
あの人、なんで月城に居るんだ。
そう思ってスルーしようと正門を出ようとしたら
冒頭のセリフが降ってきた。最悪だ。


『何考えてるんです』

「言ったろ、お前の料理の腕を見込んでる。
付き合ってくれ」

『お断りしたはずですけど』


ジト、と訝しげな目をした私なんて
お構いなしと言わんばかりに車を指差した。


「お前が好きなところに連れてってやる。乗れ。」





着いた先は月城と一位二位を争う名店
フランス料理屋さんだった。

私も小さい頃に舌を養う為に父様に連れてきてもらったことがあった。


『なんでここなんです』

「A久しいな」


イトシサエにこれに着替えろと言われて、
渡された水色のドレスを身に着けて入店すると
背後から懐かしい声がした。体が緊張するのがわかる。


『父様...なんで、こちらに...』

「俺が呼んだ」


店の人に案内されて、この異様な三人でテーブルを囲う。
父様、イトシサエと面識あったんだ。


「インターンはいい成績だったようだな」

『は、はい...父様もお変わりなく...』

「社交辞令は良い。私は忙しいんだ。
お前もゆくゆくは月城を継ぐ身、こんなところで油を売ってないで精進なさい」

冷たい一方的な会話にぎゅっと拳を握った。
イトシサエはそんな私の手を上から触れてこう言い放った。

「こいつは月城は継がねえ」

『へ?』

「俺が嫁にもらう。今日呼んだのはそのためだ」


よし、いくかと私の手を握った彼に私はただただ着いていくしかない。


『何勝手なことしてんですか!』

「勝手?お前、月城継ぎたくなさそうだっただろ」

さも当然だろ、と言わんばかりの顔にうっ、と唸る。
私の悩みを1秒で解決した彼は改めてこう言った。

「Aを幸せにしてやる」

『ほんと、勝手な人ですね』

「返事は?」


あまりにも傍若無人すぎて私も肩の力が抜けた。


『もうっ...勝手にしてください』


Te amare por siempre

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きゅんた(プロフ) - たるとさん» 初コメありがとうございます〜!誤字ってますね〜!指摘ありがとうございます♡主人公総受けなんでまだまだ関係拗れていったらいいなあ〜!!! (2023年1月30日 2時) (レス) @page17 id: 7cf9bc3205 (このIDを非表示/違反報告)
たると(プロフ) - 初コメ失礼します!!いつも楽しく読ませてもらってます!!玲王との展開も楽しみですしカイザーとの関係最高すぎます〜!!あと少し気になってしまったのですがティラピスじゃなくてピラティスな気がします!!細かくてすみません汗 (2023年1月30日 1時) (レス) @page17 id: 33239378f6 (このIDを非表示/違反報告)
きゅんた(プロフ) - まるさん» 報告ありがとうございます〜!外しました! (2023年1月28日 13時) (レス) id: 7cf9bc3205 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - オリ‘フラ立ってますよ! (2023年1月28日 7時) (レス) @page1 id: d16c4af477 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きゅんた | 作成日時:2023年1月21日 22時

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